【崩壊】日本の治安【寸前】

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【治安】襲来する事件(5)隙あらば 首都圏でピッキング再燃
                         [2002年05月08日 東京朝刊]
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 「今、旬の犯罪は事務所荒らしだ。ピッキングで事務所に入り、金庫から通帳と印鑑を
奪う。偽造口座に分散送金し、カードを使って引き出す」
 来日中国人犯罪グループに、下働きの日本人を斡旋(あつせん)している日本の暴力団
幹部が話す。

 一時は急減した、特殊工具を使ったピッキング盗。それが、再び増加に転じている。
 ピッキング盗は首都圏を中心に平成九年ごろから増え始めた。警視庁管内では、平成八
年に百十一件だったのが、九年に四百五十六件、十年には千百六件、十一年には六千百十
一件−と三年間で約五十五倍に急増。十二年には一万千八十九件とピークを迎えた。これ
ほどまでに短期間で急増した犯罪は過去に例がない。

 「単独犯から組織化」。盗みのイメージを大きく変えたピッキング盗は、「下見」「運転」
「見張り」「鍵開け」「盗み」…と、完全な役割分担がなされている。約七割が来日中国人
による犯行だ。以前は同国人を襲い金品を奪っていたが、同国人は金を持っていない。「日
本人は小銭をため込み、部屋に置いておく」と、日本人にターゲットをシフト。金に関す
る情報には貪欲(どんよく)で敏感だ。

 金のためには努力を惜しまない。十一年に警視庁が摘発した犯行グループの都内のアジ
トから工具や数種類のドアノブなど約百三十点が見つかった。ドアノブは万力で椅子(い
す)に固定され、工具でこじ開けられた傷痕があった。入念なまでのピッキング技術の訓
練を物語るものだった。
841:02/05/09 05:01 ID:GadfdAWL
◆大胆かつ緻密
 大通りから少し離れた中高層マンションを狙う典型的な犯行は、一人が一階出入り口付
近で携帯電話を持って見張り役として立ち、他の者が人目につきにくい上階の玄関の鍵を
瞬時に開錠。室内をくまなく物色して金目の物を手当たり次第に奪い、姿を消す。

 そして、暴力団幹部が「今が旬」と表現する事務所荒らし。現金のほか、預貯金通帳や
印鑑などを目的に連続して犯行に及ぶ。犯行後は鍵穴につまようじや接着剤を入れて発見
を遅らせ、盗んだ通帳から現金を引き出す。中国人では怪しまれるため、“スカウト”し
た日本人の手によって。狙いはチェックが緩い九州など地方の金融機関だ。

 ピッキング盗に対し、警察は中国人グループに狙いをつけた徹底的な取り締まりや、ピ
ッキング盗に強い錠の交換など防犯対策を強化。その結果、昨年のピッキング盗の認知件
数は首都圏を中心に減少し、前年の二万九千二百十一件から約一万件減った。警視庁管内
では四千七百二十七件と大幅に減少した。

 しかし、昨年秋ごろから増え始めた。それも首都圏などでだ。「これまではマンション
の階段付近の部屋をすべて狙うなどしていた。しかし、今はアトランダム」。警察庁幹部
は話す。

◆土日は休盗日
 警視庁は四月、十二年六月ごろから首都圏や愛知県、大阪府などのマンションばかりを
狙い、約千件、被害総額数億円のピッキング盗を重ねていた中国人グループを摘発。アジ
トからカーナビゲーションなど犯行道具約百二十点を押収した。主犯格とみられる王林容
疑者(四一)は「平日に毎日数件から数十件の盗みをやった」と供述。家族がいて、周囲
の目も気になる週末や休日は犯行を控えた。大胆さの中にも緻密(ちみつ)さを兼ね備え
ていた。

 ピッキング盗は日本人の防犯意識の薄さに付け込んだ犯行。防犯意識に目覚めた日本人
は鍵を換え、被害は激減した。

 しかし、“再燃”した。犯罪グループは、警察の徹底した取り締まりと首都圏を中心と
した住民の急激な防犯意識の高まりの中、犯行を一時的に控えていたにすぎなかったのだ。
彼らの金への執着心が衰えるはずがない。

 警視庁は四月、再び増加するピッキング盗に対する緊急の対策会議を開いた。人見信男
副総監は「ピッキング犯罪の多数は不良中国人が敢行している。不良中国人組織が定着し、
巨大化すると治安や経済活動に計り知れないダメージを与え、社会不安も増大しかねな
い」などと述べ、根絶にハッパをかけた。

隙(すき)をみせれば、犯罪グループは津波のように押し寄せてくる。