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■治安 襲来する事件(4)
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【雇われる日本人】 気付いた時には犯罪加担 産経新聞 05/06
JR東京駅八重洲口にほど近い東京・日本橋のオフィス街。日付も変わろうと
していた平成十三年十月二日午後十一時五十分ごろ、勤務先のマージャン店から
帰宅途中だった中国人女性(二六)の首に突然、男が腕を巻きつけてきた。そのま
ま引きずられ、乗用車の後部座席に押し込められた。車の中では、数人の男から
顔に粘着テープを巻かれ、埼玉県朝霞市内のアパートまで拉致された。
男たちは翌日、女性のキャッシュカードで現金三十五万円を引き出したうえ、
女性から日本人婚約者に電話をかけさせ、銀行口座に振り込ませた四十五万円も
奪った。
拉致から二日後、男たちは女性と一緒にタクシーに乗り、東京都板橋区内で解
放。女性はタクシーの中で両脇を男たちに挟まれ、内側に粘着テープを張ったサ
ングラスをかけさせられた。
しかし、サングラスの下から運転手の名前などを記憶していた。警視庁は女性
の記憶などから、監禁場所のアパートや周辺の捜査に乗り出した。
その後の調べで、同月十五日深夜から十六日夕にかけても、別の女性が同じア
パートに監禁されていたことが判明。女性は無職の中国人(三二)で、帰宅途中に
自宅近くの大田区西蒲田で拉致されていた。男たちは、この女性からいとこに電
話をかけさせ、銀行口座に振り込ませた三百万円を奪取していた。
≪お人よしOL≫
昨年までの過去五年間に、全国の警察が検挙した在日外国人同士による身代金
目的誘拐事件は計十九件(うち十六件が中国人)。しかし、この数字は“氷山の一
角”との見方が強い。被害者本人や身代金を支払う親族、知人が不法滞在の場合、
「周りに迷惑がかかる」と被害届を出さないケースが多いからだ。
警視庁はこの二件の事件で、身代金目的略取容疑などで、中国人の徐強容疑者
(三七)ら五人を逮捕した。うち四人は中国人だったが、残る一人は大手通信会社
に勤務する日本人OL(二三)で、拉致現場から監禁場所までの車の運転を任され
ていた。
逮捕されたOLは、大学で第二外国語として中国語を履修し、卒業後に大手通
信会社に入社。大学生時代、居酒屋でアルバイト仲間だった徐容疑者と知り合い、
自宅が近所だったことから就職後も交流は続いていた。
「レンタカーを借りて運転してほしい」
徐容疑者から依頼されたOLは気楽に運転を引き受けた。しかし、見ず知らず
の女性が無理やり、自分の運転する車に押し込まれるのを目の当たりにした一度
目の運転で、犯罪への加担に気付いたものの、断りきれずに二度目の犯行にも手
を貸してしまった。金銭目的ではなかったが、報酬も受け取ってしまっている。
捜査員は「最初は善意の気持ちから引き受けたのかもしれないが、結果として
犯行に加担した責任は重い」と話す。
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ル·:02/05/08 04:46 ID:y4ECW7LE
≪日中黒社会≫
OLが逮捕されたとき、連絡の取れなくなった勤務先の会社は、実家の母親に
連絡。母親も捜索願を警察に届け出ようとしたほどで、周囲にとってはまさに寝
耳に水の出来事だった。
徐容疑者は逮捕後、「警察対策として、どうしても運転手に日本人が必要だっ
た。日本人の免許証でないとレンタカーも借りにくいし…」と、OLを運転手に
起用した動機を供述している。
日本の暴力団員が犯罪に必要な情報を中国人に提供するなど、日中の“黒社会”
が結託するケースはすでに多数、報告されている。加えて、最近ではごく普通の
日本人が犯行に加担しており、今後もこうしたケースは増えていくものとみられ
る。
OLに取材を申し込んだところ、代わりに母親が答えた。
「娘はまだ精神的にショックを受けてふさぎ込んでいる。弁護士とも相談した
が、公判中ということで取材はお断りさせていただきたい。逮捕された中国人と
も、日本人と付き合うように分け隔てなく接していたが、こんなことになるとは
予想もしていなかったらしい」
日本人が被害者になる確率が増しているのと同様に、気付かない間に“落とし
穴”にはまり、犯罪に加担していく危険性も確実に高まっている。
母親は最後に消え入りそうな声でつぶやいた。「娘は外国人を信用しすぎたん
です。」