<<狂牛病関連情報蓄積スレ その10>>

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▽産地偽装、牛肉不信一段と (日経新聞)

 牛肉に対する消費者の不信感が一段と強まってきた。四国の食肉加工販売会社が
国産牛肉の贈答用詰め合わせ商品に米国産牛肉を使っていたことが15日にわかり、
愛媛、香川の両県はこの会社の工場などを立ち入り調査した。狂牛病(牛海綿状脳
症=BSE)の影響で落ち込んでいる牛肉の需要が、さらにしぼむ恐れもあり、小売店
や外食産業は苦悩の度を深めている。
 新たな牛肉偽装が発覚した15日、小売店は確認作業に追われた。伊勢丹は各店舗に、
偽装した食肉加工会社との取引の有無を確認するよう指示。仕入れ先に対しては、
産地表示に問題がないかどうか改めて照会した。
 イオンは昨年の中元期まで3年間にわたり、偽装した食肉加工会社に出資してい
る精肉加工販売会社から商品を仕入れ、贈答用として販売した。加工場所は問題に
なった工場とは別だが、「当社が扱った商品に偽装などがなかったかどうか確認中」
という。
 小売店にとって、自ら偽装を発見するのは難しい。狂牛病の発生を機に取引先に
生産履歴の提示を求めるケースが増えているが、「加工から納入まで、すべてを把
握するのは困難」(大手百貨店)。外食業界も「納入業者との信頼関係を深める以
外に対応策はない」(日本フードサービス協会)という。
 雪印食品に続く偽装の発覚で、「牛肉の表示は信用できない」という感情が募る
のは避けられない。「狂牛病の影響が少し和らいできたのに、また牛肉離れが起こ
る恐れがある」。焼き肉店、ハンバーガー店、牛丼店などは一様に懸念している。
 需要の低迷が続けば、卸売価格の回復も難しい。年末年始には一時的に鍋物向け
などの需要が戻り、一部の商品の価格が上昇したが、年明け以降は反動が出ている。
 15日の東京都中央卸売市場食肉市場(東京・港)の牛枝肉(処理後の牛を2分割
したもの)価格は、高級ステーキなどに使う和牛去勢A4規格が1キロ1470円。狂牛病
問題の発生前の昨年9月上旬より20%安く、今年1月の初セリに比べても15%安い。
 ひき肉や家庭でのいためものに使う乳牛雌C2規格の15日の取引価格は同85円。
昨年9月の6分の一以下だ。「牛肉そのものや関係業界全体への不信感が増幅してい
る」(大手ハムメーカー)という。
 取引量も低水準だ。年明け以降、東京市場内で解体・処理してセリにかける上場
頭数は1日平均約260頭。解体設備の改修という事情もあるが、通常時より100頭程
度少ない。
 需要と価格が回復するには、消費者に根付いた不信感をぬぐい去ることが不可欠だ。
だが多くの関係者は「それには時間がかかる」とみている。
[2002/2/16 日本経済新聞]