▽狂牛病影響 廃用牛1000頭出荷できず 県内酪農家に痛打 (西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-local/fukuoka.html#003 狂牛病(牛海綿状脳症)問題に伴い、県内で一月末現在、廃用牛(乳が搾れなく
なった五、六歳以上の牛)約千頭が出荷できず、酪農家の経営を圧迫していること
が十二日、県議会農林水産委員会で報告された。子牛価格の低迷にもつながってお
り、関係者は対応に頭を痛めている。
県によると、これまでに国内で見つかった感染牛が、いずれも廃用牛だったこと
から、食肉処理業者が買い取りに難色を示し、全国で計四万四千頭が出荷できない
でいる。県内でも昨年十二月から廃用牛の流通が止まり、酪農家約四百八十戸が乳
用約千頭、肉用約十頭を抱えているという。
酪農家の多くはこれまで、廃用牛を肉用として出荷、若い乳用牛に切り替えなが
ら、牛乳を生産している。しかし、狂牛病の余波で、こうした切り替えができず、
一月の牛乳(生乳)生産量は一万六百五トンにとどまり、前年同月比3・3%減。
農家の減収にもつながっている。
一方、廃用牛のだぶつきに伴い、子牛を購入する動きも鈍化。福岡県南家畜市場
(八女市)では昨年八月、一頭あたり四万円だった雄の乳用子牛(生後一カ月)価
格が、昨年十二月には同七千円に暴落。今年一月には同九千円とやや持ち直したが、
子牛価格の低迷が続いている。
県酪農業協同組合連合会(福岡市)は「今の状態が続けば牛乳、子牛の市況は悪
化する」と危機感を募らせる。こうした中、県は廃用牛を農協などを通じて一時引
き取り、子牛を飼育するスペースを確保するほか、食肉処理業者に助成金を交付す
るなどの対応を打ち出しているが、買い取りは進んでいないのが実情。県は「食肉
処理業者らに検査態勢をアピールしながら、理解を求めてゆきたい」と話している。