配合飼料の需要続く・狂牛病で牛の肥育頭数増加
http://health.nikkei.co.jp/bse/child.cfm?c=0&i=2002020708815bs 牛、鶏、豚などの肥育に使う配合飼料は、狂牛病の影響で高水準の出荷が続いてい
る。飼料メーカーの1月の出荷数量は前年比3-9%増が多く、2月も堅調のもよう。狂牛病
発生後の肉牛の出荷停滞で農家に滞留した牛向けの需要が増えたうえ、最近では牛代
替肉としてのブロイラー向け需要も増え始めた。配合飼料の需要堅調はトウモロコシなど
シカゴ穀物価格の下支え材料にもなっている。
聞き取り調査にもとづく1月の全畜種合計の出荷数量は協同飼料が前年比9%増、日本
配合飼料が同5.7%増、日本農産工業が同4.5%増と高い伸び率を示すなど商社系は前
年実績を上回ったところが大半。配合飼料販売で約3割のシェアを占める最大手の全国
農業協同組合連合会(全農)の出荷も1月は前年を上回っており、国内出荷が全体でも増
えたのは確実。
11月分まで発表済みの農水省の配合飼料飼料生産・出荷・在庫状況統計によると、狂
牛後の発生以降昨年10月、11月と2カ月連続で前年を上回った。業界では12月は前年
実績を下回ったとの見方が多いが、これは1月以降基金から補助金が出て配合飼料の実
質購入価格が下がるとみて買い控えがあったためで、年明け後の状況からみると依然需
要は堅調なようだ。
狂牛病発生で飼養頭数が減少し、飼料需要が減退するとの当初の見方がはずれ、出
荷が遅れている牛向けに需要が増える状況が続いている。
またブロイラー向けも増え始めた。協同飼料や日清飼料、丸紅飼料などでは1月にブロ
イラー向けが増えた。牛肉からの代替需要で鶏肉の相場が上がったため「ブロイラーの肥
育羽数が増え、養鶏向け需要が増えた」(丸紅飼料)という。
牛肉の代替需要で豚肉価格も比較的堅調。「養豚場での親豚導入が増え始めた」(全
農)ことで豚向けの需要が増える兆しも出ている。ただ牛の肥育頭数は国が廃用牛を買い
取る方針を示していることなどで今後減る公算が大きいが、鶏、豚の需要増で相殺される
もようだ。
[2002/2/8 日本経済新聞]