▽奈良の畜産会社からも偽装ラベル、去年数百枚 雪印事件(朝日新聞)
http://www.asahi.com/national/update/0129/029.html 雪印食品関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)による偽装牛肉事件で、同センターが輸入牛
肉を国産に見せかけるためのラベルを調達していた奈良県内の畜産会社が、ほかにも偽装用と
見られる大量のラベルをセンターに送っていたことが29日、関係者の証言で明らかになった
。昨年だけで数百枚にのぼった。特に狂牛病騒ぎで北海道産が敬遠された去年10月だけで3
00枚に近く、一部が産地の偽装にも流用された疑いがある。
この畜産会社は約20年前から、国産牛の枝肉を15〜20キロに分けた部分肉を、雪印食
品などに出荷してきた。関西ミートセンターには週2回、段ボール箱ごとに小分け用も含めた
ラベルを5、6枚張り、さらに箱の中にも小分け用の数枚を入れて出荷していた。
しかし、ほぼ毎回、同センターから「水でラベルがぬれた」「箱が汚れた」などの理由で、
10枚、20枚とラベルの追加注文がファクスや電話で届いた。その都度、指示通りに肉の量
や加工日を印字したラベルを同センターに送ったという。
一昨年までは、年に数十〜百数十枚だったが、狂牛病騒ぎが起きた昨年は数百枚にのぼった。
他社からもラベルの追加注文はあるが、頻度、量ともに同社がけた違いに多かったという。
「破損などの理由なのに追加注文はいつも、きりのいい数だった」と畜産会社の関係者は言う。
関西ミートセンター社員が豪州産牛肉を国産用の箱に詰め替えたとされる昨年10月は、特
にラベルの追加注文が頻繁にあった。10月中旬には「納入先変更」の理由で約160枚の大
量発注があったほか、毎週20〜40枚の発注があり、全体では300枚前後になったという
。多くは輸入牛肉を国産に見せかけるために使われたとみられるが、11月、12月も100
枚前後を送っていて、一部は国内の産地偽装に使われた疑いがある。
畜産会社の社長は「雪印食品は売り上げの15%を占める得意先で、ラベルが汚れたと言わ
れれば、送るしかない。うちの信用問題になれば、(雪印食品は)どう補償してくれるのか」
と話した。(15:47)