▽1月27日 牛肉偽装 食肉部長に肉処理一任(読売新聞・金沢支局)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news001.htm ・北陸雪印ハム チェック機能働かず
「雪印食品」(東京都)の牛肉偽装事件で、依頼を受けてシールを偽造した「北陸雪印ハム」
(小松市)は、食肉部長(50)一人に肉処理を任せきりにするなど、不正のチェックをしに
くい体制だったことが二十六日、同社関係者の話で分かった。
同社の羽広隆夫社長(58)によると、食肉部長は昨年十月二十九、三十日の二回、関西ミ
ートセンター(兵庫県伊丹市)の仕入れ担当者から「(羽広)社長には内密で何とか作ってく
れないか」などとシール偽造の要請を受けた際、不正使用されると分かっていながら協力。羽
広社長は事件が明らかになるまで同部長が偽装に協力した事実を知らなかったという。
関係者によると、食肉部長は、前身の小松ハム社長で北陸雪印ハム初代社長の長男。小松ハ
ム時代から勤め、約三年前から食肉部長に就任。同社の株式も10%所有している。
一方、食肉部長の上司は羽広社長と佐藤利勝業務部長(59)の二人で、いずれも二―三年
前に親会社の雪印食品から出向した。羽広社長は営業畑、業務部長は経理畑出身で肉処理につ
いては専門外だったという。
このため、北陸雪印ハムは北陸地方の仕入れ先などにも顔がきく食肉部長に肉処理を一任。
佐藤部長は「取引先など知らないことが多く、何かと食肉部長を頼りにしていた」と述べ、食
肉部長の“暴挙”への監視や摘発をしにくい体制だったことを認めた。
そのうえで、佐藤部長は「食肉部長は、肉処理という自分の権限内の分野で、しかも、深刻
な問題だととらえなかったから、上役への相談なしに偽造に協力したのだろう」と語った。ま
た、羽広社長は二十四日の読売新聞社の取材に対し「シールを商品に添付して送るという最も
基本的なことを社員に徹底できなかったのは、私の管理責任だ」と話した。
【写真】詰め替え日に、関西ミートセンターからの指示で、食肉部長らが肉の加工年月日など
を手動で印字した計量器
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