▽1月22日 牛乳生産量落ち込み 昨年12月6.3%減
酪農家、乳廃牛出荷手控え(読売新聞・前橋支局)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news005.htm 狂牛病問題の影響で、牛乳の生産量が落ち込んでいる。国内で見つかった狂牛病の三頭は、
いずれも高齢などのために搾乳できなくなった乳牛(乳廃牛)で、四頭目の感染牛が出ること
を恐れ、県内では酪農家が乳廃牛の出荷を手控えるケースが急増。このため、牛舎のスペース
や資金繰りの問題から、若い乳牛を買うことができず、生産量の減少につながっているという。
JA群馬牛乳販売連合会によると、昨年十二月の牛乳出荷量は前年同月比6・3%減の約二
万二千トンにとどまった。同会は「酪農家の乳牛入れ替えサイクルが狂った影響が出始めた」
とみている。
富岡市の酪農家(45)は、これまで北海道から若い乳牛を仕入れてきたが、県内で国内三
頭目の感染牛が確認されて以降、乳廃牛の出荷をやめた。このため、牛舎は満杯で、新たに乳
牛を購入することができないという。
この酪農家は、例年、六十頭から乳を絞っていたが、現在、搾乳できるのは四十頭程度。牛
乳の出荷も前年比三割も減少した。さらに、乳廃牛は一頭あたり少なくとも月三万円のえさ代
がかかるため、「ダブルパンチを受けている」とため息を漏らす。
一方、県農業共済組合連合会によると、出荷前の牛が病気などで死んだ場合に農家に支払う
共済金は、昨年十一月は前年同月比二倍の三百五十八頭分に上った。乳廃牛が出荷されないま
ま死んでいるとみられている。
共済の掛け金は三年ごとに過去の実績を基に改定されるため、今年度の実績が反映される二
〇〇五年度の改定では、掛け金の大幅値上げも予想され、酪農経営への影響が懸念されている。