<<狂牛病関連情報蓄積スレ その7>>

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56日経ビジネス 2001年11月19日号掲載記事(2)
敗軍の将、兵を語る 遠藤武彦氏(農林水産副大臣、農水省狂牛病対策本部長)
狂牛病騒動、危機感足りなかった
http://www3.ocn.ne.jp/~entake/html/kyougyuu_kiki.html

○ファックスでの重要報告見落とす
 千葉県はこの事実を9月12日に、農水省にファクスで伝えました。そんな重要なものなのに、
あろうことか農水省の担当者はすぐにこの送付に気がつかなかったのです。しばらく経って
から、このファクスのことを確認し、9月14日、私の元に報告が上がってきました。
 それを聞いた時は、全く我が耳を疑いましたよ。何てことだと。そして急ぎ、その日の夜、
今度は私が記者会見に臨み、すべてを説明したのです。誠に悔いの残る4日間です。この不手
際によって、「どうも農水省は信用ならん」となってしまった。
 後で、私も送られてきたファクス用紙を見たんですが、何かメモ書きみたいな書類でした。
これが、食の安全に関わる重要な正式文書かと思いました。そのため、受け取った農水省の担
当者も、その重要性に気づくのが遅れるようです。
 一方、食肉処理場に入るまでは農水省の所管ですが、それ以降は厚生労働省となっています。
安全チェックが二重に働く良い面 と、牛がどう処理されていくかの細かな追跡は確かにやり
にくい側面 があったかも分からん。
 しかし、この期に及んで、そんなことは言い訳にもならない。9月12日の段階で、千葉県が
農水省にファクスを送ったことは事実だし、それをすぐに農水省の担当者がきちんと認識しな
かったことも事実です。焼却という事実を徹底確認してもいなかった、実に、残念な4日間で
した。
 私も、(武部勤・農水)大臣も、口を酸っぱくして言っています。報告、連絡、相談、そし
て点検、確認が大切だと。しかし何で今さら、東大出の農水官僚にこんなことを言わなきゃな
らないのかと思ったりもしました。
 公務員の職務は言うまでもなく、国民の生命、財産、存立に関わります。絶えず緊張感を持って
執務をしなきゃならん。今回の一件は、反省すべき点の多い、象徴的な出来事だったと思
います。あまりに初歩的なミスが多すぎた。
 大切なのは、事態が起きた時、最初にそれをどう思うか、感じるかということだと思います。
「何か変だな、おかしいぞ」という、初期段階における感受性の問題とも言うべきでしょうか。
そしていかに最悪の事態を予測しながら行動するかです。私をはじめ、農水省の職員には、
この危機管理が十分ではなかった。
 今回の件を受けて、千葉県の堂本暁子知事から私のところへ電話があった際、こうお願いし
ました。「今後は、千葉県で重要な問題が起こったりして、それを農水省にも伝える必要のあ
る時には、どうぞ私の電話に直接かけてきてください。どんな時でも受けますから」と。また、
食の安全という意味で横の連携を固めようと、厚労省の桝屋敬悟副大臣とも、お互いに携帯
電話の番号を教え合って、密に連絡を取ることにしたところです。