▽1月19日 畜産農家なお苦境 輸入配合飼料も値上がり(読売新聞・さいたま支局)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm・牛出荷価格回復の兆しあるが…
狂牛病の牛が見つかった影響で、昨年末に大幅に落ち込んだ県内の肥育牛の出荷価格が、
今年に入り、一部でやや回復の兆しをみせている。しかし、相場は安定しておらず、このところの
円安で輸入配合飼料が値上がりするなど、畜産農家の置かれている状況は依然として厳しい
ようだ。
JAふかや櫛挽支店が扱った和牛は、今月十一日に一頭当たり平均四十万円で取引された。
昨年末の一頭当たり十―二十万円に比べ、価格は回復しつつある。しかし、交雑種の牛は、今
月九日に六頭が平均三十万円で出荷された一方、七頭が平均十万円と、以前と変わらない落ち
込みようで出荷価格は安定していない。
交雑種を扱う県開拓連の統計では、昨年十二月の平均では一頭当たり約十六万円だったが、
今月は平均三十万円まで上昇。同連は「年始めは初競りで比較的高値がつく。昨年は平均六十
万円で売られ、今年はその半値、回復とは言い切れない」と厳しい表情だ。
さらに、配合飼料は、円安の影響で今月から一トン当たり三百円ほど値上がりした。深谷市
内の肥育牛農家は「ただでさえ収入が落ち込んでいる上に、えさの値上がりで四苦八苦してい
る」と話す。同連は、えさ代を先月の値上がり前の値段に据え置いて畜産農家に提供している。
県経済連は今月十七日、牛肉の品評会を開催した。県内の二十の畜産農家が肉用牛を出品。
最上の枝肉で一キロ当たり二千円の値がついたが、狂牛病騒ぎが起こる前は、同じ等級の枝肉
が最低でも一キロ当たり二千五百円だったという。
県経済連畜産部は「出荷頭数は通常に戻り、一等級の価格は回復してきているが、いわゆる
大衆牛肉の二―三等級の価格は低迷したままだ」と話している。