▽1月18日 子牛初競り 初の20万円割れ(読売新聞・鳥取支局)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news002.htm・農家「まるでバーゲン」
狂牛病問題で子牛の価格低迷が続く中、今年初めての県産和牛子牛の競り市が十七日、赤碕
町の県中央家畜市場で開かれた。繁殖農家の多くは、昨年十二月の競り市を見送り、価格の回
復を待ったが、一頭当たりの平均価格は十九万二千八百二十四円と、一九九三年の市場開設以
来初めて二十万円を割り込んだ。畜産農家が「まるでバーゲンセール。大赤字だ」と嘆く多難
な幕開けとなった。
メス百三十九頭、オス一頭、去勢百四十五頭の計二百八十五頭が取引され、平均価格速報値
で、最高五十四万九千百五十円(前年同期七十六万千二百五十円)、最低四万二千円(五万二
千五百円)となった。平均価格も、前年同期の三十四万四千二百九十三円から約45%も下回
った。
市場では平井伸治副知事が年頭のあいさつで「県産牛肉はえさもチェックして対策は万全」
と安全性をアピール。繁殖農家の多くも昨年の安値を避け、従来より一か月長い生後九か月前
後まで育てた子牛を出荷するなど競り値に期待がかかったが、買い手の肥育農家の動きは鈍く、
県内農協が買い支えるのが精一杯。
JA全農とっとりは「消費が拡大しない以上、市場は循環しないとわかっているが、有効な
カンフル剤が見つからない。今の値動きなら一―三月の四半期は補給金制度の適用を受け、ど
うにかやっていけると思う。繁殖農家が生産意欲を失わないよう、制度の活用を勧めたい」と
している。
市場の値動きを気にかけていた倉吉市の繁殖農家(50)は「競りで買いたたかれても店頭
で値が下がらないから、いったん冷え込んだ消費が回復しない。行政が補助金で小売価格を下
げるなり消費拡大策を打ち出してほしい」と暗い表情だった。