▽1月16日 狂牛病対策 牛の耳標装着始まる (読売新聞・徳島支局)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokushima/news001.htm ・JAや酪農家 「消費回復のきっかけに」
すべての牛に番号を割り振った耳標を取り付ける個体識別作業が十五日、徳島市内などで始
まった。牛の生い立ちを明らかにすることで、消費者の信頼回復につなげるのが狙い。実施主
体のJA全農県本部や県は「牛肉の消費が回復するきっかけにしたい」と期待を込めている。
農林水産省が、昨年十一月に行った通達に基づく措置。JAなどは、農水省の外郭団体・家
畜改良事業団から割り振られた十けたの番号を書いた耳標を牛の耳に取り付け、個体番号と牛
の性別や出生地、現在の所在地、移動歴などを、県やJAでつくる「県家畜個体情報管理シス
テム推進協議会」に報告、データは一括管理される。
県畜産課によると、同システムが完成すると、万一の事故の際、当該牛のデータを出生まで
さかのぼって分析できるため、対策が立てやすく、消費者に安心感を持ってもらえるとしている。
この日の取り付け作業は、同市と美郷村の約五百三十頭を対象に実施。家畜衛生保健所員や
JA職員らが三、四人で一班となり、畜産農家の人が立ち合い、プラスチック製の耳標(長さ
七・五センチ、幅五・五センチ)を牛に取り付けた。消毒液を湿らせたパンチで耳に穴を開け
るため暴れる牛も多く、取り付けに時間がかかるケースも見られた。
JA全農県本部の枦(はぜ)山(やま)増雄副本部長は「消費者に牛の生い立ちを知らせる
ことで、牛肉への安心感につなげたい」と説明。立ち会った徳島市国府町佐野塚、酪農業山下
信良さん(51)は「消費者に安心してもらえることなら、努力は惜しまない」と話していた。
県内では約四万六千頭の牛が飼われており、同県本部は、三月末までに耳標の取り付けや
データ収集作業を終えることにしている。