<狂牛病>農水省、検査漏れ認める 肉骨粉の含有調査
http://news.lycos.co.jp/topics/science/epidemic.html?d=30mainichiF1230m106 狂牛病対策の一環として農水省は昨年12月、全国の飼料工場を対象に牛用飼料に肉骨粉が
含まれていないかどうか精密検査を実施することを決めたが、今年1〜4月の間だけでも全国
7工場10種類の牛用飼料について検査漏れのあったことが29日、分かった。
飼料工場への立ち入り検査は、同省所管の公益法人で今年4月に独立行政法人となった「肥
飼料検査所」が実施する。1工場当たり年2回をめどに、事前通告をせずに行い、肉骨粉の牛
用飼料への使用のほか、飼料への含有量が規制されている農薬などの調査が行われる。その結
果は毎月発行される「飼料検査」で報告される。
これまでに1〜4月の検査結果が報告書で公表されており、全国7工場の10種類の牛用飼
料について肉骨粉の調査が行われていなかったことが明らかになった。1月に立ち入り検査が
行われた関東地方の工場では、農薬の含有量の分析試験は通常通り実施されたが、肉骨粉につ
いては製造記録の書面を見ただけで、飼料の成分を顕微鏡などで調べる精密検査は行われなか
った。また、同月の九州地方の工場の検査でも、抗生物質と重金属の試験だけが行われ、肉骨
粉は検査されなかった。
同省は96年4月、世界保健機関(WHO)から肉骨粉の牛用飼料への使用禁止の勧告を受
けたが、行政指導で十分として法制化を見送った。その代わりに検査の徹底を図ることにし、
全国約140の飼料工場を対象に年2回の立ち入り検査を実施し、製造記録のチェックのほか、
飼料を触るなどして肉骨粉の有無を調べることにした。さらに昨年12月以降は、肉骨粉につ
いての調査を厳密に行うことを決め、顕微鏡での鑑定を取り入れた。
同省飼料課は一部に検査漏れがあったことを認めたが、「具体的な検査方法については肥飼
料検査所に任せており、現在の検査体制には問題がない」と釈明している。一方、同検査所幹
部は「すべて農水省の指示でやっているので詳しいことは答えられない」と話している。
【狂牛病取材班】[毎日新聞12月30日] ( 2001-12-30-03:01 )