▽牛に肉骨粉「みんなの責任」 農水相が責任回避?発言 (朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/1228/003.html 武部勤農水相は28日の閣議後の記者会見で、96年に牛に対して肉骨粉を与えないことを
行政指導による「自粛」にとどめたため、一部の農家が牛に食べさせていたことについて、「
みんなの責任と思っている」と述べた。生産者や農業団体の自覚不足を指摘した内容といえる
が、禁止措置をとらなかった行政の「責任回避」ともとれる発言だ。
武部農水相は、「何もかも国に求め、国に頼み、国の指示に従うのではなく、自分たち(生
産者)自身が自立していくことが大事だ。情報も自身で集め、自立した生き方を持たないとい
けない」と、生産者側にも自立意識が必要であったことを強調した。「責任論の問題ではない
と思う」と、当時の行政の判断の是非には踏み込まなかった。
一方で、狂牛病(牛海綿状脳症、略称BSE)への対応全体については、「危機管理の意識、
検査体制の甘さがあった」と認め、「政府として深い反省点に立って、真剣に取り組んでまい
りたい」と述べた。
農水省は、狂牛病の汚染原因とされる肉骨粉を牛に与えることについて、96年4月に「自
粛」の行政指導をした。しかし、感染牛発生後の調査で、全国で約5200頭の牛に肉骨粉が
与えられていたことが明らかになった。(12:01)