<<狂牛病関連情報蓄積スレ その6>>

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▽「狂牛病感染源、問題なのか」 武部氏に農家反発 罷免要求で野党共闘
  2001/12/28 04:41 (北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20011228&j=0044&k=200112286424

 武部勤農水相が二十六日、狂牛病(牛海綿状脳症)問題に絡んで、本道の酪農家らに感染源
解明の重要性に疑問を投げ掛けた発言が波紋を広げた。二十七日、武部氏は道内で釈明を続け
たが、生産者の反発は強まるばかり。一方、野党からは罷免要求の動きも出始めた。(稚内支
局・阿部浩二、政治部・山下幸紀、東京政経部・鵺野隆治)

■憤り
 武部農水相は二十七日、宗谷管内猿払村で、国内二頭目の感染牛を飼育していた酪農家の家
族と面会。「大変だと思いますが、再起再建を祈っています」と書き添えた名刺を差し出し、
激励した。しかし、その場には当初、出席を予定していた男性経営者は姿を見せず、武部発言
への反発も。この後、武部氏は生産者らとの意見交換会で「感染ルートの特定に時間がかかる
から、安全対策とは分けて考えるべきだということだ」と釈明したが、会場は重苦しい空気が
支配した。
 道内生産者内で武部氏への反発は強まっている。十勝管内足寄町の肉牛農家は「生産者は原
因究明を最大の要望として上げているのに、大臣が否定する。大臣が失言するたび牛肉の不信
感が広がる」と憤りをぶつける。
 また、武部氏の「牛肉をやめておいて、なぜ牛乳はいいのか」との発言についても、十勝管
内清水町の酪農家は「別の意図があったのだろうが、消費者の不安をあおるだけだ」と顔をし
かめた。
 一方、北海道食の自給ネットワーク事務局長で、主婦の大熊久美子さん=札幌市在住=は
「感染源解明が難しいのは分かるが、まず原因を突き止めて、それを断つことから始めなけれ
ば、消費者の不安はいつまでも消えない」と消費者サイドから、武部氏の認識の甘さをやり玉
に挙げた。

■困惑
 「熊沢英昭事務次官が辞めることで、省としては狂牛病問題にけじめをつけたはずだった。
しかし大臣の発言で振り出しに戻った」。同日、農水省幹部は困惑顔。その熊沢氏は同日の会
見で「大臣発言は(食肉処理される段階での全頭検査が始まった)十月十八日以降、食卓に安
全な牛肉だけを供給する体制ができたという意味だ」と擁護に回ったが、細部の質問には「お
答えしにくい」を連発。重い口調に対応の難しさがにじんだ。
 また、福田康夫官房長官も会見で「かねがね農水相は『牛肉は安全である。心配ない』とい
うことを強調していたので、そのためのいろいろな解説をしたのだと思う」と弁明を強いられ
た。
 与党内の田中真紀子外相更迭論をなんとかかわして、「一内閣一閣僚」を死守してきた小泉
純一郎首相。しかし、今は田中外相より武部農水相が危うい。首相周辺からは「今は原因究明
の責任があるが、その後のことは本人の判断だ」と突き放す声も出始めた。

■不適格
 「一番大事なのは国民の命を守ること。その責任を果たしていないどころか、無責任な暴言
を繰り返す農水大臣は不適格だ」。社民党の福島瑞穂幹事長は同日、党本部で行われた仕事納
めのあいさつで、武部氏を攻撃。そして、民主党の菅直人、自由党の藤井裕久両幹事長に電話
を入れ、武部氏追求の共同戦線を持ちかけた。
 政府・与党に押されっ放しの野党にとって、武部発言は政府追及の格好の材料。特に、小泉
政権への距離の取り方をめぐって党内ががたつく民主党にとっては、党内固めをはかることも
できる。
 福島氏から電話を受けた菅氏は即答した。「あす、野党国対委員長会談を開き、対応を相談
しましょう」