<<狂牛病関連情報蓄積スレ その6>>

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▼ニューズウィーク日本版 12月19日号(先週号)
●世界共通の味、世界共通の危険
効率化を追求した「マクドナルド方式」の生産システムは
食品が健康に及ぼすリスクまでグローバル化させている
エリック・シュローサー(ジャーナリスト)
http://www.nwj.ne.jp/public/toppage/20011219articles/SR_sef4.html

○農業の脱工業化が潮流

 15年後、狂牛病は他の欧州諸国や日本へ広がった。何百万頭もの牛が処分され、
農家や酪農家は廃業に追い込まれ、牛肉加工業者や外食産業は大打撃を受けた。
 狂牛病が人間の健康にどれだけリスクを及ぼすかは、まだわかっていない。効率
を追求したやり方は、危険なほど非効率であることがわかっただけだ。
 狂牛病と口蹄疫の発生を受けて、EU(欧州連合)各国の政府は、より品質が高く
安全な食品の生産法を模索するようになった。
 ドイツは農業の「脱工業化」を掲げ、2010年までに少なくとも農地の10%を有機
農法に変えると宣言した。北欧諸国は先端技術を駆使して、環境と動物への負荷が
少ない酪農法を実践している。イタリアは、伝統や地域に根ざした農業への回帰を
訴える「スローフード」運動の本拠地だ。
 小規模農業は時代遅れどころか、未来の潮流になるだろう。現在の食品システム
の見えざる代償に気づく人は増えている。安いファストフードは、結局は高くつく
ことに気づいたのだ。
(筆者は『ファストフードが世界を食いつくす』〔草思社〕の著者)
ニューズウィーク日本版 2001年12月19日号 P.26