▽危険部位40キロ焼却せず 狂牛病 大津市と滋賀県で食い違い
(京都新聞 2001.10.19 News)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2001oct/19/M20011019MHB1S000000006.html 狂牛病感染のリスクが高いとされる牛の特定危険部位について、滋賀県が国の通達を受けて、
「今月九日に県職員が立ち会い、危険部分の焼却まで確認した」と記者発表していたにもかか
わらず、実際は、焼却処分も立会いも実施していなかったことが、十八日分かった。また県は
「その後、、危険部位約四十キロを大津市の施設で焼却した」としているが、大津市は「一切
受け入れていない」と全面否定、双方の説明が大きく食い違っている。
狂牛病問題では、不信感を招かないよう行政の正確な情報提供が求められているだけに、県
の姿勢が問われる。
厚生労働省は九月二十九日、全国の都道府県に特定危険部位(牛の脳、脊髄、眼球、回腸の
一部)を除去し、焼却処分を確認するよう全国の都道府県に通知した。滋賀県生活衛生課の目
方勇課長は十日、記者会見し、「大津市内の食肉処分場には焼却施設がなく、処分先確保に時
間がかかったが、大津市が危険部位の処分を受け入れ、九日以降は県職員立会いのもと、焼却
を確認している」と発表した。
ところが大津市は十八日、「これまで危険部位は受け入れていなかった」とし、同日から危
険部位を受け入れ、二十日から焼却処分を実施することを明らかにした。
発表が食い違うことについて県生活衛生課は「実際は九日には、処理された牛がなく、焼却
処分はなかった。十一日から二日間で二十九頭分約四十キロの危険部位が出たが、十五日に大
津市・志賀町行政事務組合クリーンセンターで焼却処分した」と説明。しかし、市側は危険部
位約四十キロの処分を否定しており、危険部位の行方は宙に浮いた形になっている。
▽牛の危険部位 既に焼却 (京都新聞 2001.10.19 News)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2001oct/19/M20011019MHB1S000000044.html 大津市 クリーンセンター、報告怠る
狂牛病感染のリスクが高いとされる牛の危険部位四十キロの処理について、焼却したとする
滋賀県と、処理していないという大津市の説明が食い違っていた問題で、実際は既に焼却処理
されていたことが、十九日になってわかった。
大津市によると、問題となった危険部位四十キロは、業者が大津市・志賀町行政事務組合ク
リーンセンター(大津市)に持ち込み、十五日に焼却していた。同組合の田井中勲施設管理課
長は「報告が必要だと思わず、忘れていた」という。
この件については、「大津市内の施設で焼却した」とする県に対し、大津市は十八日の「市
狂牛病対策連絡会議」で、相井征夫環境部長が「危険部位は国の指導に沿って、十八日から受
け入れを始める」と報告。同部ごみ対策課も取材に対し「これまでは一切燃やしていない」と
説明していた。
組織内の連絡の不備から危険部位の行方が宙に浮いた形となっていたことについて、相井部
長は「報告を徹底するよう指示していなかったために連絡が行き届かず、申し訳ない」と話し、
佐藤賢助役も「市民の関心が高い重要な問題であり、今後は正確な情報を市民に提供できるよ
う徹底したい」と述べた。
▽狂牛病 追跡調査せず (京都新聞 2001.10.11 News)
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2001oct/11/M20011011MHB1S000000017.html 危険部分処分 滋賀県「問題ない」
狂牛病感染のリスクが高いとされる牛の特定危険部分を焼却処分するよう厚生労働省が先月
通知したところ、滋賀県を含む三自治体が今月五日の時点で食肉処理段階の除去を実施してい
ないと回答していたことが、十日、わかった。滋賀県は同日、記者会見し「危険部分は自主的
に廃棄するよう業者に指導していた。市場に流通した可能性がゼロとはいえないが、九日以降
は県職員が立ち会い、危険部分の焼却まで確認している。対応に問題はない」と述べた。
厚生労働省は九月二十九日、全国の都道府県に特定危険部位(牛の脳、脊髄、眼球、回腸の
一部)を除去し、焼却処分を確認するよう全国の都道府県に通知した。県生活衛生課は二日、
県内二カ所の食肉処理場に対し、自主廃棄を指導した。同課によると、うち大津市にある食肉
処理場は焼却施設がなかったため、処分先の確保に時間がかかり、危険部分の焼却廃棄が県内
で完全実施できたのは九日だったという。
また県は、業者が危険部分を自主廃棄していた間、どこへ危険部分を廃棄したかなど、廃棄
方法を追跡調査していないことを明らかにした。
追跡調査をしない理由について目方勇・生活衛生課長は「廃棄の態勢づくりで精一杯で、確
認する余裕がなかった。廃棄先を追い回して目くじらを立てることだとは思っていない」と話
した。
一方、狂牛病対策で決められた処理段階での危険部分の除去が行われていなかったことにつ
いて、厚生労働省の食品保健部監視安全課は「安全対策が徹底されなかったのは問題だが、そ
れだけでただちに危険性があるわけではない。狂牛病発生の可能性が高い生後三十カ月以上の
牛の出荷停止や肉骨粉の流通停止などで安全性は保たれている」と説明した。除去を始めるま
での処理頭数や処理後の追跡調査などの報告は求めないという。