ニワトリ育てて食べる授業、残酷と中止に

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朝日新聞(2001年11月13日)
(見出し)育てたトリ解体して食べよう
残酷だ/教育だ →批判受け直前中止
担任「食と命の尊さを」

鶏を飼育したあと、食肉として処分、その肉で子どもがカレーを
作って食べる――。秋田県雄物川町の雄物川北小学校で5年生の
クラスが、こんな授業を進めた。「残酷だ」と保護者から反対の
声があがり、解体、調理を目前にした12日、中止になった。
「食と命の尊さを教えたかった」と担任。地元では、子どもたちも
含め賛否両論がある。

同校によると、担任の女性教諭(33)は6月、食用鶏の「比内鶏」
6羽を近くの県立農業高校からもらった。子どもには当初から飼育し、
解体して食べることを説明。保護者にも趣旨を伝えた。

来春からの新学習指導要領で導入される「総合的な学習の時間」
(総合学習)を先取りして取り組んだという。

子どもたちは、校内で飼育。1羽が死んだが、5羽は成長した。
13日には農業高校で、子どもの目前で解体処理し、学校に
持ち帰ってカレーとして調理、昼食として、児童たちが食べる
手はずになっていた。

ところが、直前になって一部の保護者から、批判的な声が県南教育
事務所などに匿名で届いた。それを受け、町教育委員会もストップを
かけた。

中止について同小の塩田紀子校長は「保護者との意見交換が不十分
だった。ただ今回のことは決してマイナスではなく、いいチャレンジ
だったと思う」と話した。担任は「2週間ほど前に、改めて父母に
対して意見を求めた。反対なら声を出してもらって一緒に考えたかった」
と残念がっている。