▽市場流通なし 信頼回復に時間 (産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/html/e22iti002.htm 【視点】 狂牛病に感染したとみられる二頭目の牛が見つかった。最終確認ではないが、この
間に検査した頭数から単純に考えると約八万八千分の一の確率で狂牛病に感染した牛がいるこ
とになる。年間約百三十万頭が解体処理されることを考えると、年間十五頭程度の感染牛が出
る計算だ。
もっとも、全頭検査が始まってから生後三十カ月前後の健康な牛が優先して処理されていた
こともあり、これだけで汚染度をはかることはできない。むしろ感染が疑われるヨーロッパ産
の肉骨粉がまだ輸入されていたころに飼育されていた年齢を重ねたハイリスクグループの牛が
これから解体処理される可能性が高く、今後、集中して出る可能性も残っている。
ここ数年、「日本は大丈夫」と農水省や厚生労働省がいっていた「信頼感」などが裏付けの
ないものだったことを証明した格好で、生産者や消費者のショックは大きい。
一方で農水省は「感染の原因とされる肉骨粉のルートは迷宮入りにはさせない」と今も感染
ルート追及をあきらめていない。厚生労働省も「汚染されたということを理解したうえで、き
ちんとした対応をする」という。少なくとも、感染牛の肉は市場に流通することがない体制は
できており、あとは牛肉の信頼感を取り戻すために、長い地道な取り組みを続けるしかない。
(堀洋)