狂牛病確認の牛、特有の症状なし・高い検査値
http://health.nikkei.co.jp/bse/child.cfm?i=2001112104031bs&c=0 今回、北海道で見つかった2頭目の狂牛病の牛は簡易検査の値が極めて高
かったが、奇声や異常行動など狂牛病に特有の症状はなかった。9月に千葉県
で見つかった牛も神経症状はなかったが、陽性反応が出ており、全頭検査の開
始前からすでに狂牛病に感染した牛が市場に出回っていた可能性も否定でき
なくなった。
特に今回の感染牛は、簡易検査では異常プリオンの量の多さを示す発色度
の検査値が高く、メーターを振り切る「計測不能」の状態で、「一目で感染が分
かるほど発色していた」(厚生労働省)という。そのため同省は20日午後に持ち
込まれ、翌日から始めるはずだった確認検査の開始を早め、夜を徹して「陽性」
を確認した。
狂牛病は感染してから発症までの潜伏期間が2-8年。専門家は「発症していな
ければ、感染源である異常プリオンの量は多くない。さらに牛肉や牛乳では感
染せず、人への感染の危険性はないはず」とする。
全頭検査開始前に解体処理された牛肉については現在、倉庫に保管されて
おり、市場には出回っていない。どれくらい感染した牛が食肉処理され、食べて
いたかは全く分からない状況だ。
[2001/11/21 日本経済新聞夕刊]