今こそ!イチローを育てた土井正三を語ろう!!

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オリックスに入ると監督は土井正三。イチローの打撃は邪道でしょ。
すぐ直しちゃうの。直すと打率が落っこって2軍に行くわけです。
そこで自分のバッティングをして成績がいいからまた上がると、
また落っこっていく。その時、河村健一郎が2軍のコーチをやって
「イチロー、今のバッティングでいい」と言うんです。

「このままではおまえの持ち味が殺されてしまう。もう一度原点に戻ろう。」
入団1年目の秋。河村二軍打撃コーチのその一言がイチローを救いました。
すでに独自の一本足打法でウエスタンの首位打者となっていたにもかかわらず
「上で通用するフォームにしなければ」という首脳陣の方針により、
徹底的にフォーム矯正指導を受けていたイチロー。本来の打撃コントロールを
失いつつありました。見るに見かねた河村は、矯正にストップをかけ、

イチローと二人三脚で新打法を作り上げます。自然な一本足から意図的な一本足へ。
いわゆる振り子打法の誕生でした。野球技術論の第一人者・村上豊は、
「これまでの日本の野球は、後ろ足に体重をためたままで打つ。

その一方で腰の回転で打てと教えられてきた。イチローの最大の功績は、
技術的に前足軸打法の優位性を知らしめたことだ。」として、「振り子打法」
というよりは、体がスライドして前足に体重がかかる、「ピッチング打法」
と分析しています。

この打法はイチローを蘇らせました。しかし、再び一軍入りしたイチローに
「待った」をかけたのが、当時オリックスの監督だった土井正三。
「あんなんでは体の芯が流れてしまっているから打てない。足が速くて左バッター
だから、太くて短いバットで地面に叩きつけるバッティングをさせろ」
対してイチローはきっぱりと言い放ちます。

「僕はこれで高校時代から打ってきた。これが自分のバッティングです。
来たボールをしっかりと振り抜くことだけを考えていますから、姑息な
バッティングはしたくない。」
翌日土井監督はイチローを二軍に落としてしまいます。
90コピペ:01/10/27 19:48 ID:BlqM5zhB
一朗のフォームは全身を使ってしなやかに振り抜くスタ
イル。大きくタイミングを取り、しっかり球を見極めて、速いス
イングで打ち返す。当時の机上論とは大きくかけ離れたフォーム

だが、その打撃技術は折り紙付き。しかし、たまに一軍に昇格し
ては土井監督以下、首脳陣にことごとくそのフォームを酷評され、
「内角高めが打てないから、フォームを変えろ」とあれこれいじ
られて形を崩されたり、或いは「打ち方が悪い」と愚痴を垂れら
れては二軍に落とされ…の繰り返し。

 この時も、やはりそう。両翼が僅か90mしかない、狭い悠久山
で“詰まって入った、ラッキーな”プロ初の一発に対して「ミド
ルヒッターのくせに、バットを大振りしている。こんな振り回す
ような打撃は期待していない」と、余りに理不尽な判断を下され
たのだ。単純なミスショット。それも、普通の球場なら右飛にな
るところを、狭い地方球場だったがために、たまたま本塁打にな
っただけの話だ。

しかし、当時の首脳陣は“一発狙いの打撃をし
た”と突っぱね、しかも“無意味なフルスイング”と、理不尽な
屁理屈で叩っ斬ってしまったのだ。門出のプロ1号だというのに、
首脳陣は一朗を醒め切った眼で見ていたのだ。それが証拠に、こ
の本塁打を打ってダッグアウトで出迎え、一朗のタッチを受けた
米田哲也・投手コーチは、一朗とは全く目線を合わせようとせず、
すっかり湿気切った表情をしていた 。

そして案の定、このホームランはかえって、この年の一朗にと
っては裏目となった。7月に入ると「本塁打を打って以来、大振
りが目立つようになった」として二軍に降格。彼自身も“何とか
結果を残そう”という必死さが先走って、それが空回りしていた
のかもしれない。一朗は通告を受けた後、ロッカーで嗚咽を漏ら
したという。このままでは自分の野球生命は終わってしまう。

その夜、二軍の広島遠征に合流した一朗は、母校の
愛工大名電高の恩師・中村豪監督に電話を入れた。相談を持ち掛
けようと考えたのだろうか。しかし、次第に悔しさがこみ上げて
きたのか、涙が止まらなくなった。中村監督は「今が試練の時」
と諭し、保子夫人は「二軍なら、中日戦でナゴヤ球場でも試合が
あるし、応援に行けるじゃない」と慰めたという。

こうして、この年は二軍と一軍とのエレベーターを、開幕から
数えて3度も繰り返すことを余儀なくされた一朗。だが、二軍で
は好成績。48試合で.371、HR8。4〜8月にかけて、ウエスタンリ
ーグ記録となる30試合連続安打を達成したものの、3度のエレベ
ーターで首位打者は逃した。

3度目の二軍落ちをしたシーズン半 ばからは一軍昇格を固辞して、
しなやかなバッティングに更に磨 きをかけるべく、河村健一郎・二軍打撃コーチと
二人三脚で、い わゆる“振り子打法”の完成を目指した。シーズン終盤までフォ
ーム固めに集中し、秋はシーズン終了を待たずにハワイのウイン
ターリーグに参戦。打率2位となる.311(164打数51安打)という
ハイアベレージを叩き出して、日本人選手(オリックスの他、日
本ハム、福岡ダイエーから計13名が参加)でただ一人、ベストナ
インに選出された。

そこに、白のスーツ、エナメルの靴の男が登場した。
後にイチローが語った第一印象「ヤクザかと思った。」
そう、仰木彬である。