【歓喜】2001ノーベル平和賞に日本人2人!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
『検定不合格日本史』(三一書房、七四年)は、家永氏が高校日本史の教科書を一人で
執筆するという、よくいえば野心の発露だが、氏の実力からしてとうてい無謀な試み
であり、実際、明らかに失敗作だった。

《井原西鶴がその第一人者で、鋭い観察力をもって現実を見つめ、町人の享楽生活や、
利を求めるに敏な才覚、苦しいやりくりの生活などを軽妙な筆で巧みに写している。
「好色一代女」や「日本永代蔵」「世間胸算用」などがその代表作である。》

 本当に氏は西鶴を読んでいるのか? あのエロ小説を。まさか「西鶴の才覚」などと、
冗談をいいたかっただけではあるまい。ともかくこのように家永本には無味乾燥な記述
が延々と続き、これでもかこれでもかと高校生にひたすらの記述暗記を強いるひどく
退屈な教科書である。そうして、ひとたび氏の専門たる現代史領域に入るや、文体は
まったく異質なものになる。広島・長崎に原爆を落とし市民大量虐殺を図った側は正義で、
落とされた側にのみ悪魔が宿っているらしく、朝鮮戦争では家永氏が大好きな北朝鮮
とソ連と中国だけが立派で、嫌いな韓国を侵略者にしてしまう。
 誤謬に満ちたイデオロギーの産物以外のものではない。氏自身が高校生に向かって
説教した以下の一文を、なによりまず家永氏とその支援者たちに捧げたい。

《もし重大な問題について、学者の間に二つ以上の意見の違いがあることがわかった
ら、それぞれの立場の意見を冷静公平に検討し、他の意見を顧みないで一つの立場の
意見だけにとらわれないようにするのが、正しい態度である。》(家永「日本史の研究方法」=『検定不合格日本史』)

 わかりましたか、家永さん。
 あなたは時流におもねるただの野心家であり、歴史学官僚のホープたる自分の主張
に後輩の文部官僚が敬意を表せず突っ返してきたことが許せなかっただけだ。教科書
裁判の支援者たちが、氏を反権力者と思い込んだのは、ただの勘違いであろう。彼は
ただ権力者になりたかっただけなのである。