露韓中に戦略的敗北北方領土はもう戻らない・・・

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234ソース屋
http://www.mainichi.co.jp/life/money/kansoku/200102/16.html
 石油価格が3倍になったので、石油輸出国ロシアのルーブルは一応安定し、破た
んした財政も立ち直ってきた。役人や軍人に対する給料の遅配も改善されているよ
うだ。
 ところが北方四島では、燃料の手当てが思うに任せず、厳寒のなか停電が続くと
いうので、日本から重油を積んだ援助船が北方四島に向かっている。その経費は外
務省予算から出されているのであろうが、どういう訳か、政府はそれを発表しない。
世論の反発を恐れているのであろうか。
 財政が立ち直り、チェチェンに出兵し、海外援助も始めているロシア政府は、そ
の気になれば北方四島の発電に必要な重油ぐらい手配できるはずだ。ロシアは石油
輸出国ではないか。人道的援助には反対しないが、自分でやれることもやらない国
には、援助を与える前に「自分で最善の努力をせよ」と忠告すべきだ。
 重油援助は北方領土返還の布石だと外務省は考えているかもしれないが、一度約
束した首脳会談の日時を、先方トップの一存で、一方的に延ばしてしまう状況の下
で、北方領土が外交折衝で返ってくるのだろうか。
 これに拍車をかけているのが、外務省と自民党外交族の間にくすぶる二島返還論
だ。世論にも聞かず、勝手に二島返還に動くのはけしからんし、この外交上の重要
問題について、総理と外務大臣が基本方針を明示しないのが間違いの始まりだ。
 ロシアが経済的に苦境にあったころは、100億ドル程度の経済協力付与を、目
に見えない反対給付として、四島返還に絡ませれば、わずかながら返還する可能性
があった。
 しかし経済力の戻ってきたロシアに、その話はもう魅力がない。ロシア世論は返
還に反対だし、政治的に領土返還の決定は不可能な状況となっている。
 駄目と分かったら、次の戦略を考えよ。ただし二島返還で終わるような戦略だけ
は、ご免被りたい。