宮台真司「分かっちゃった」

このエントリーをはてなブックマークに追加
216東南アジアは喜んでいる?
小泉首相の靖国参拝に東南アジアは喜んでいる?

そんなことはない。

マレーシアの隣国のシンガポールの名宰相リー・クアンユーは
NHKの取材でずいぶん日本の植民地支配にネチネチと悪口を言っていた。
「日本軍がわが国を支配したせいで、病人にまわす医薬品がなくなりたくさんの人が困った。」
とNHKに当時の話を聞かれれば日本植民地支配の悪口を言っている。
米軍支配下の今の日本は昔の軍国主義の日本と違うという前提ではあるが。

一方、シンガポールの隣国のマレーシアのマハティール首相は
「土下座外交をやめろ」と日本にゴマすりをしているが、
他の国では「日本の科学技術を手に入れたい」と本音を語っている。
マハティールは自分の国の都合で「土下座外交をやめろ」と
甘い言葉をささやいているだけであって、日本が貧乏になったら
感情的な本音が噴出し手のひらを返すように昔の日本の悪口を言い
別の強い者に媚を売るはず。それがマレーシアにとっての最適解で正しい外交だ。

南太平洋の小さな島々は読み書きソロバンを日本に教えてもらった恩から
手放しでかつての大日本帝国の植民地支配に感謝しているが、
文化文明や独自の流通市場、天然資源を持っていた国々は
荒々しい搾取の白人支配だろうが手厚い建設的な日本人支配だろうが
感謝と恨みとの複雑な感情をかつての日本に持っている。
マレーシアや台湾、シンガポール、インドネシアは
外交上、損得を考えて手放しで喜んでいるが
かつての大日本帝国に対して感謝と恨みとの複雑な感情を抱く国家だ。

東南アジア諸国が小泉首相の靖国参拝を本心で喜ぶとは思えない。