ネパール国王含む王族12人射殺さる!その2

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70カトマンズの様子
【カトマンズ2日=共同】ネパールのビレンドラ国王夫妻らが皇太子に銃撃され死亡するという衝撃的な事件から一夜明けた二日、カトマンズ市街では、市民が悲しみに暮れ、口々に「信じられない」と語り合っていた。ベールに包まれた王宮を舞台にした事件だけに、異様な興奮が漂っていた。
 王宮前の道路には同日、訪れた市民が中の様子をうかがっては、次々に警備の警察官に追い払われる。初老の男性は声を掛けても、うっすらと涙を浮かべ、うなずくだけ。学生風の若者は「何も話したくない。(事件は)国民にとって大きな問題だ」とだけ語った。

 少し離れた所では大学生の約五十人のグループが座り込み、王宮に向けて「国王夫妻よ永遠なれ」と声を上げていた。集会に参加していた大学生のジモン・ポントリさん(22)は「恐ろしい事件。だが、何があったのか、なぜ起きたのか本当のことは分からない」と発表内容に懐疑的。事件の主犯とされながら王位を継承したディペンドラ皇太子については「回復を祈る」とだけ言い残し口をつぐんだ。

 国王夫妻の遺体が安置された市内のビレンドラ陸軍病院。厳戒警備の中、コイララ首相ら閣僚、軍関係者、外交官らが次々に弔問に訪れた。遺体は午後四時すぎ、騎馬隊や儀礼兵らに先導され約八キロ離れたヒンドゥー教のパシュパティ寺院へ。沿道は国王に別れを告げようと市民が斜面や家の塀などにびっしり並び、静かに葬列を見守った。