知覧で小泉が泣いた!

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251名無しさん23
司会:
ご自身を例に取ると、どういう20代でした? 30代でしたか?
小泉大臣:
僕は、学ぶほうではよく本を読んだ。遊ぶほうでは、友達とマージャンしたり、野球をしたり、スキーをしたり・・・その他、ちょっと言えないこともしたけどね。まあ、よく学びよく遊びっていうと、勉強のほうの学問、学校のほうのいわゆる教材っていう勉強しなかったけれども、自分で非常に参考になった、いい勉強になったと思ったのは、学校で教える以上に人との付き合いと、それと歴史時代小説読んだことが、非常に良かったと思っているんです。
司会:
歴史時代小説、例えばどの辺りが特にお好きですか。
小泉大臣:
司馬遼太郎さんだとかね、あるいは当時は柴田練三郎とかね、吉川英二とか、あるいは海音寺長五郎、池波庄太郎、吉村昭、まあ、吉村さんは今でもあるけれど、司馬遼太郎の本なんて片っ端から、発売されたら読んでいた。それとね、小説新潮とか、オール読物っていう月刊誌があるんだ。あるいは、歴史読本とかある。あの中でもね、時代歴史小説ばっかり読んでいたよ。買ってきて。現代小説、ほとんど読まなかった。
司会:
時代でいうと、大体どのあたり好きなんですか。
小泉大臣:
戦国時代とか、幕末。あの頃の人物像はね、学校の教科書がこうも味気なくつまらないものかと、こういうのを早くもっと学生時代読んでいりゃいいなあと思った。
司会:
歴史上の人物で影響を受けた方、あるいは今でも読み返して、この人の言葉、いいなと思うような方、いらっしゃいますか。
小泉大臣:
いや、それぞれ歴史時代小説、まあ最初から肩入れして読むと面白さわかんないから、司馬遼太郎の本なんか、信長にしても秀吉にして家康にしてもね、実に人物の描写がうまい。あれは、人間っていうのはそんなに変わらないですよ、戦国時代も今も、本質は。あれを読むと、人間というのはこういうものかというのが、事実は小説よりも奇なりだし、こんなことが事実としてあったのかと、考えられないようなことが事実としてある訳だから。もう、フィクションじゃ考えられない。その事実の面白さ。その事実を題材にして、小説家がその空白を空想で埋めて行く訳でしょう。全然、会ったこともないのに、信長と秀吉の会話がさ、その場で臨場感をもって出てくるんだよな。小説家の能力って、大したもんだと思ったよ。すごいよ。そりゃ、資料を読みついで考えている。こう言っただろうと。自分が信長になったり、秀吉になったりして、小説組み立てる訳だよね。これ、点と点は事実なんですよ。親子が殺し合ったり、兄弟が殺し合ったり、親戚同士が戦いをしたり、もう本当に頻繁だね。同時に、特に若い世代で確認すると、私も50年前に生まれていたら、特攻隊に志願していたんじゃないかなと。幸せな時代、恵まれた時代に生まれたなと、あのときの学生、学生時代に、当時の同じ年の人が遺書を書いて飛び立っているんです訳ですよね。信じられないような衝撃受けましたよ。こんな時代に生まれなくてよかったな。なんて恵まれてる時代に我々生まれたんだと。志願ということをとりながら、当時は半ば強制的な雰囲気だったんでしょ。何もこれからっていう時に二十歳で、油片道しか積んで行かないで、死んでいく・・・今はもう信じられない時代です。ああいうのを読んで、それは本当に先人に感謝したり、あるいは自分は恵まれて愚痴を言うのは恥ずかしいなという気持ちになる。だから私は、歴史時代小説というのは、非常に勉強になった、自分にとって。もちろん、歴史時代小説嫌いな人もたくさんいるでしょうけれども。今、「失楽園」とかね、不倫小説というのが楽しいとかと思うけども、そりゃあ、悪いとは言わんけど、私にとっては歴史時代小説というのは、実に勉強になった。事実の持つ迫力、これは素晴しい。