森首相、ノルウェー国王主催夜会を一蹴

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796長崎新聞2001.3.30
【佐世保】二十九日来県したノルウェーのハラルド五世国王夫妻は、
観光客でにぎわう佐世保市のハウステンポスをはじめ、造船所や
窯業など各地の地場産業を熱心に見て回った。

国王夫妻は長崎空港に到着後、船でハウステンボス(和オ昌一社長)
入り。大村湾に面する船着き場で宮崎副知事や光武佐世保市長らの
出迎えを受け、和才社長の案内で園内の各施設を見学した。
二人は色鮮やかなチューリップが咲き誇る運河沿いを散策。
和才社長によると、ハラルド国王は「日本に来てヨーロッパの街並み
にいることが不思議。チューリップと桜を同時に見ることかでき幸運
だった」と感想を述ペたという。
この後、ソニア王妃は三川内焼美術館(同市)を訪問。窯元の一つ、
「玉泉」(福本正則社長)にも足を運び、透かし彫りなど伝統技法を
見学。同王妃は「器はどれくらいの温度で焼くのか」などと盛んに質問
していた。

オリーブを植樹
ハラルド五世国王は午後四時前、ノルウェー国旗を振る約千三百人の町民
の歓迎を受け、西彼大島町の大島造船所に到着。南尚社長の案内で組立
工場を見学した後、ノルウェーの船会社が発注した貨物船の起工式に出席した。
引き続き、南社長、秋山隆雄町長とともに、造船所の1角にある「鎮守の森」
にオリーブの木を植樹。長身を折り曲げながら、日本風に「エイ、エイ、エイ」
と掛け声を発して苗木に土をかけると、見守っていた職員らから拍手がわき起
こった。(大瀬戸)

県が歓迎晩餐会
ノルウェー国王夫妻は長崎市到着後、県指定史跡の料亭花月(丸山町)で
県主催の歓迎晩餐会に出席した。
金子知事や林義博県議会議長など計20人が出席。知事は「本県は多くの
半島、島々から成り、ノルウェーと同じく海の恩恵で栄えてきた。
ご来訪を機に友好が一層深まることを望む」とあいさつ。国王は「長崎は過去、
海外への窓と言える役割を果たした。歴史ある町で歓迎を受け、感激している」
と述ペた。乾杯の後、和やかに歓談か続いた。

警護本部を設置
県警は29日、県警本部内に「ノルウェー国王・王妃警護・警備本部」を設置し、
警備にあたった。県警警備部によると、国王らが車で移動する際は、進行方向の
信号をすべて青にして止まらないように制御した。