「放射性物質まいた」 男から事情聴取 JR高槻駅
--------------------------------------------------------------------------------
20日午前10時ごろ、大阪府高槻市のJR高槻駅コンコースで、白衣を着た男が駅助役に「放射性同位元素をまいた」と話しかけてきたため、110番通報した。高槻署が液体を分析するとともに、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」違反の疑いもあるとみて、男から事情を聴いている。駅の客らに被害はなかった。
現場には瓶が2本残っており、うち1本が割れた状態で、改札口付近で破片が散乱していた。いずれの瓶にもヨウ素125などと書かれたシールが張られ、放射性同位元素を示すマークが付いていた。瓶の容量は20CC程度という。
調べによると、男は高槻市紫町の日本たばこ産業(JT)医薬総合研究所の社員(40)で、「会社の冷蔵庫から1CC入りの瓶3本を持ち出し、うち1本の全部と、もう1本の半分をまいた」と供述。男の上司が確認したところ、供述通り冷蔵庫から薬品がなくなっていたという。
JT医薬総合研究所によると、男は主に薬の化合物の研究をしており、勤務態度に問題はなかったという。
JR高槻駅によると、同日午前10時ごろ、駅中央口コンコースで、白衣を着た男が通りかかった助役に対し、「このあたりに放射性物質をまいた」と話し、薬品の瓶らしいものを手にしていた。助役は男を駅事務室に連れていって話を聞いたが、要領を得なかっため、110番通報した。
駅員から連絡を受けた同研究所からは、副所長が現場に駆けつけ、放射線測定器で放射線量などを測定したところ、人体に影響が出るような反応はなかったという。
放射性同位元素がまかれた付近は、半径約3メートル程度にわたってロープが張られ、立ち入り禁止になっている。電車の運行への影響はなかった。
◇ヨウ素125◇ ヨウ素の放射性同位元素の一つ。ガンマ線を出すので医学、生命科学の実験や、がんの治療にも用いられる。揮発しやすく吸い込むと、甲状せんに集まる傾向がある。放射能が半分に減る期間(半減期)は約六十日。
(14:34)
http://spin.asahi.com/1220/news/national20016.html