東京電力福島第1原発の廃炉に重くのしかかっている汚染水の処理が、思い通りに進まない。東電は1月下旬、「3月末まで」としていた汚染水の全量処理を断念したことを明らかにした。
この期限は、安倍晋三首相と約束していたものであり、東電の“背信”は、地元住民の不安にもつながっている。原発事故から間もなく4年。汚染水問題を決着させる見込みはあるのか。(原子力取材班)
■エネ庁長官、“約束破り”に明らかに不満顔
「全力で取り組んできたが、見通しが大変厳しい。総理大臣との約束は大変重いものと思っているが、約束が果たせず、大変申し訳なく思っております」
東電の広瀬直己社長は1月23日、経済産業省資源エネルギー庁の上田隆之長官の部屋を訪れ、消え入りそうな声でこう伝えた。
上田長官は不満をあらわにした表情で「大変残念で遺憾に思っている。汚染水対策をしっかりやっていただくことは、国民から強い期待がある。できるだけ早期に全量浄化完了をしてほしい」と要望した。
上田長官と面会後、記者団に囲まれた広瀬社長は、「総理と約束してから、1年4カ月の時間があったにせよ、簡単な目標ではなかった」と釈明。廃炉工程への影響については「これから見直しがあるが、
特に大きな影響を及ぼすものではない」と強調した。
東電福島本社の石崎芳行代表も同日、福島県庁を訪れ、鈴木正晃副知事に報告。鈴木副知事は「対策の遅れは避難者の帰還や復興、風評被害に大きな影響を与えることを肝に銘じてほしい」と被災者の声を代弁した。
広瀬社長が安倍首相と約束したのは平成25年9月。首相が第1原発を視察し「しっかり期限を設けて、全量処理をしてほしい」と要請をし、広瀬社長はそれに応え、26年度末までに汚染水を浄化することを約束した。
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引用元:産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/news/150211/prm1502110006-n1.html