世界各国は停戦交渉を仲介しようとしているが、成功したのはエジプトだけである。先週、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース
大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、それぞれ、考慮中の停戦交渉はエジプトで話し合われているものだけだと述べた。
米タスクフォースの上級研究員であるフセイン・イビシュ氏によれば、エジプトは、地理的意味と政治的意味の両方において、
停戦協議の中心である。同氏は、「エジプトだけが今後の動向に影響を与えることができます」と述べた。ガザ地区からみれば、エジプトは、イスラエル以外の唯一の隣国である。
2007年以降、ガザ地区は、イスラエルとエジプトから陸海空を周期的に封鎖されてきた。そとため、ガザ地区からエジプトへの密輸トンネルが建築された。
パレスチナ人たちは、そこから食べ物から燃料まですべてを輸送したのだ。
エジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー(Abdel Fattah el-Sisi)大統領が同国側のトンネル出口を封鎖するまで、ハマスはトンネルから、年7億5,000万米ドルの税収を得ていた。
パレスチナセンターの常務取締役であるユーセフ・ムナヤー(Yousef Munayer)氏は、「いくつかの地域と国の間で、ある種のゲームが行われている状態です」と述べた。
同氏は、「中東のイスラム諸国の中には、イスラム諸国の民主主義をサポートする国家と、それに反対する国家の両方があります。
前者は、トルコ、カタールです。後者は、サウジアラビアとアラブ首長国連邦、そしてエジプトです」と説明した
イスラエルとエジプトは、急進的なイスラム勢力を鎮静させたほうが利益がある。エジプトでは、モルシ元大統領の失脚後、シナイ半島でハマス武装勢力の取り締まりが始まった。目的は、すべてのムスリム同胞団を根絶することであった。
米タスクフォースのイビシュ氏は、エジプトが停戦協議に参画している理由について、「外交上の観点からではありません。他人事ではなく、国内の安全保障にかかわると考えて、行動しているのです」と述べた。
「アラブ諸国は、イスラム政治勢力が強すぎることを怖れています。その怖れの度合いは、イスラエルのネタニヤフ首相に対する毛嫌い以上かもしれません」と述べた。
http://jp.ibtimes.com/articles/59994/20140802/239262/page2.htm