杉本彩「飼い主のモラルに訴えるだけじゃダメ、販売業者やブリーダーのあり方を変えなければ殺処分は減らない」
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2014052902000004.html 今や子どもの数より多いといわれる日本のペット。家族の一員として愛される一方、不適切な飼育や遺棄の犠牲になる犬や猫も少なくない。
女優の杉本彩さん(45)は今年二月、一般財団法人「動物環境・福祉協会Eva(エヴァ)」を設立。人と動物の共生社会の実現に向け、働き掛けを始めた。
国内の犬と猫の推計飼育数は約二千六十二万匹(二〇一三年、ペットフード協会調べ)。一方、十五歳未満の子どもは推計千六百三十三万人(総務省)で、過去最低を更新した。
ペットが大きな存在になっている半面、環境省によると、一二年度には十六万二千匹の犬と猫が殺処分された。
「最終目標は殺処分ゼロですが、飼い主のモラルに訴えるだけでは無理。販売業者のあり方を変えねばならず、
法規制なども必要。まずは『アニマルポリス』の設置を呼び掛けたい」と杉本さんは話す。
アニマルポリスは動物虐待や飼育放棄などを扱う機関で、英米などでは法的権限を持つ。
今年一月、兵庫県警が動物虐待事案に対応する初の専門相談電話「アニマルポリス・ホットライン」を設置したが、日本での広がりはまだまだだ。
杉本さんは「動物に関する事柄は自治体が対応するが、問題があっても注意する程度。最近は異常な多頭飼育をする『アニマルホーダー』が問題になったり、
劣悪な環境の繁殖場があったりするのに積極介入する機関がなく、警察も動物愛護法を十分理解していないのは問題」と指摘する。
さらに「ひどい環境で犬や猫を“大量生産”するブリーダーがいたり、飼育状況の分からない犬が売買されるオークションがあったり。
行政も流通過程を把握しておらず、対応できないのが現状」と唇をかむ。