東京都渋谷区が4月に区民保養所として購入した静岡県河津町の旅館が、アダルトビデオ作品の撮影場所として複数回にわたって使われていたことが15日、わかった。
購入に際して区は「全く知らなかった」と困惑する一方、「保養所としての影響はない」としている。
区は今月、外部からの指摘を受けて把握。区などによると、旅館は敷地面積約3300平方メートルで、地下1階地上5階建てで26の客室があったが、今年3月末に経営難などから閉鎖。
旅館側からの打診を受けて区が購入を決めたという。
区が改めて旅館側に確認したところ、「過去に撮影に使われたことがあった」と話したという。作品を発売するアダルトビデオ制作会社も、取材に対し、「この旅館で何度か撮影した」と認めている。
この問題を調査している区議によると、この旅館で撮影した作品が同社からシリーズ化され、2006年から13年までの少なくとも11作品で旅館の施設が登場するという。
区と河津町は災害時の相互応援協定を結ぶなど縁がある。区では、神奈川県箱根町の区民保養所の予約が取りにくいため、二つ目の保養所を探していた。
区は、土地建物の取得、改修費用などとして今年度予算に2億2800万円を計上、10月オープンを目指している。
この区議は「こうした場所を区民は利用したいと思うだろうか」と問題提起。区では「過去にどのように使われたかは区として関知しない。区民が安心して泊まれるよう、整備を進めていく」としている。
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