CO2を原料とする新しいプラスチックの合成に成功、実用化にメド 野崎京子さん(東大教授/京大出身)

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1 ラ ケブラーダ(空)@転載禁止

東京大学大学院工学系研究科の野崎京子教授、伊藤慎庫助教らは、CO2を原料とする新しいプラスチックの合成に成功した。

従来のCO2から合成されたプラスチックと違い、燃焼による有毒ガス(窒素酸化物)が発生しないうえ、CO2の含有量は
29%と高効率。また、分解温度は340度Cと高く、溶融成形が可能になる。フィルムなど幅広い応用が期待される。

CO2を原料とするプラスチックの合成では、尿素や有機化合物のビスフェノールAなどを用いる手法が知られる。
火力発電所や工場などから排出されるCO2を再利用する技術として注目されているが、燃焼による有毒ガスの発生や熱に弱いなどの課題があった。

新合成のプラスチックは、合成ゴムの原料として使用されるブタジエンを用いた。通常の合成ではCO2との反応が進みにくいが、
いったん中間体を作り、2段階で合成することによって可能にした。
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820140310eaah.html

■参考1
実は、CO2からプラスチックをつくる技術は昭和43年に東大が開発していました。しかし当時の技術で作られたものは、
熱に弱く、触媒の反応効率も悪いため、工業製品として実用化のめどが立ちませんでした。

しかし、新たな触媒の開発によって反応効率が向上し、実用化への道筋がつきました。開発は新エネルギー・産業技術総合
開発機構(NEDO)の助成を受け、東京理科大、慶大、金沢大、住友化学、住友精化、帝人、三菱商事も参加。
まさにオールジャパン体制で進められており、野崎教授は「(資源枯渇が懸念される)石油の代替にしたい」と意気込んでいます。

CO2プラスチックは熱分解性や接着性に優れています。このため、食品の劣化を防ぐレトルトパックや、自動車のフロント
ガラスに使われる強化ガラスなど幅広い用途が期待できるといいます。まだ製造コストや性能面で石油からつくるプラスチックには
かないませんが、2012年度以降の実用化を目指しています。
http://ameblo.jp/sukunabikona28/entry-10083627096.html