集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈見直しをめぐる議論が深まっている。だが、反対の立場の野党は憲法解釈の見直しを
「力を伴わないクーデターに等しい」と批判を強める。これまで積み上げてきた内閣法制局の見解をそのまま守れというのだ。
確かに内閣法制局という組織は、精緻な憲法解釈を積み上げてきた。だが、あくまでも内閣を補佐する政府の一機関に過ぎない。
首相が政府の最高責任者として憲法解釈の権限を有するのは当然だ。それがおかしいなら、野党は堂々と国民に訴え、
その主張が正しいならば次の衆院選で多くの支持を得られるはずだ。
安倍晋三首相が「政府の最高責任者は私だ。政府の答弁については私が責任を持ち、その上で選挙で国民から審判を受ける。
審判を受けるのは法制局長官ではない」と答弁したところ、一部メディアは「立憲主義を否定」とかみついた。
だが、前述の通り、憲法の解釈権はあくまで内閣にあるのが通説だ。選挙の洗礼を受けない公務員集団である内閣法制局が担
えるはずがなく、国民の支持を得た内閣がその権限を有するのが正当性を持った統治のあり方だ。首相は当たり前のことを言っただけだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140308/stt14030821380002-n1.htm