愛知県稲沢市議の桜木琢磨容疑者(70)が中国で麻薬密輸容疑で逮捕された事件で、広東省広州市の検察当局は28日、起訴するかどうかの判断を2週間先送りした。
地元の稲沢市議会では「公職なので中国側も慎重に対応していることの現れではないか」との見方が広がった。
関係者によると、判断の先送りは複数の人物が事件に関わっていることなどが理由で、警察当局に補充捜査を求める可能性もあるという。
桜木市議と、市議に覚醒剤3・3キログラムが入ったスーツケースを渡したとして逮捕されたアフリカ人の男2人も「麻薬が入っているとは知らなかった」と容疑を否認しているとされる。
中国の検察当局が補充捜査を求めた場合、その期間は1カ月間。その後、起訴審査に1カ月をかけ、今回のように起訴期限を2週間延期することができる。
これをもう一度繰り返せるため、起訴の判断期限は最長で8月まで延びる可能性もある。
稲沢市議会は27日の議員政治倫理審査会で、桜木市議が議会に出席できないことへの対応を協議。
「報酬の差し止めを検討すべきだ」「冤罪(えんざい)の可能性もあり、判決を見て判断すべきだ」などの声があり、3月7日に再協議する。
野村英治議長は「議員の意見も様々で、まとめるには時間が必要」と話した。(小山謙太郎=広州、古沢孝樹)
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