朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)では2014年1月現在、CHEO Technology JV Company(以下、CHEO Technology)の1社がサービス名
koryolinkとして移動体通信事業を手掛けている。
エジプトのOrascom Media and Technology Holding S.A.E.(以下、OTMT)と北朝鮮国営のKorea Posts and Telecommunications Corporation(以下、KPTC)
との合弁企業で、2.1GHz帯(バンドI)のW-CDMA方式でサービスを提供している。ロゴマークは伝説上で翼を持ち1日に千里を走るとされる千里馬をモチーフとしている。
近年、北朝鮮では様々な品目において外国人による持ち込み規制を緩和している。携帯電話もその一つで、これまでは入国の際に携帯電話を出国まで税関預け
もしくは袋に入れて開封厳禁としていたが、2013年1月7日より携帯電話の持ち込みを解禁し、同時に外国人向けのプリペイド式SIMカードの販売を開始した。
携帯電話の持ち込み規制について方針を変更した背景としては、外国人から外貨を獲得しようとする狙いがある。
北朝鮮はリゾート施設の開設など、国を挙げて観光客の誘致に取り組んでいる。スマートフォンを含んだ携帯電話のカメラの高画質化やSNSの普及により、
携帯電話で写真を撮影する需要が高まっており、それは外国人の誘致を推進する北朝鮮当局も無視はできなかった。外国人向けの料金は高く設定されているが、
koryolinkは国際ローミングを受け入れておらず、北朝鮮国内で携帯電話を使うとすればkoryolinkを選ぶしかないのである。
このように、外国人の需要に応えて誘致を強化し、また高い料金ながら携帯電話を使えるようにすることで、一気に外貨を稼ごうとしているのである。
外国人向けプランとインターネット接続オプションの料金は下記の通りである。
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