【北京・西岡省二】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は1日、国営報道機関を通じて演説し、今年の国政方針である「新年の辞」を発表した。先月処刑された叔父の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長に
ついて名指しを避けつつも「汚物」と呼び、処刑を「断固たる措置」と表明した。そのうえで「反党・反革命の分派勢力を粛清し、一心団結が100倍に強化された」と粛清の成果を強調した。金第1書記が張氏処刑に
言及するのは初めて。朝鮮中央通信などが伝えた。
金第1書記は「(朝鮮労働)党内に唯一的指導体系を徹底的に確立して党隊列の純潔性を確固として保障し、戦闘的機能と役割を高めるべきだ」と述べ、自らによる唯一指導を絶対視するよう求めた。
対外関係については、米国と韓国による軍事演習などで危機的状況がつくられていると批判し、「戦争が再発すれば、途方もない核の災難をもたらし、米国も決して無事ではいられない」と警告した。
一方で「北南間の関係改善のための雰囲気を整えるべきだ」と述べ、南北対話に意欲を見せた。日本に関しては昨年に続いて言及はなかった。
また、金第1書記は2014年を、社会主義強盛国家建設が飛躍して先軍朝鮮の繁栄期を切り開く「荘厳な闘争の年」「偉大な変革の年」と表現。「党の指導の下に、企業の責任と創意性を高め、
すべての勤労者が生産と管理で主人としての役割を果たすべきだ」と促した。
金第1書記の新年演説は2年連続。演説を好まなかった金正日(キム・ジョンイル)総書記時代は、元旦に党機関誌・労働新聞など3紙が共同社説を掲載して国政方針を示していた。
http://mainichi.jp/select/news/20140102k0000m030030000c.html