【スバル】 絶好調!笑いが止まらぬ富士重工 全てにおいて“過去最高” 「まだまだ売れる」と代表盤

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1 リバースパワースラム(WiMAX)

「運も実力のうち」とはいうが、自動車メーカーの中で、この人ほど元気いっぱいの社長はいないだろう。東日本
大震災後の2011年6月に富士重工業社長に就任した吉永泰之氏である。

10月末に発表した13年4〜9月期の連結決算では「売上高、利益のすべての指標で半期として過去最高、
世界販売台数でも過去最高を記録した」と、笑いをかみ殺しながら「過去最高」を繰り返した。

しかも、特筆すべきは、日本の乗用車メーカー8社のうち、販売台数こそ最下位だが、営業利益率(13.4%)は
2ケタとなり、筆頭株主のトヨタ自動車(10.0%)も抜いて首位に躍り出た。

生産の7割以上を国内工場に依存し、その大半を輸出に振り向けている。好決算の要因はアベノミクスによる
円高修正の効果と、世界販売の5割以上を占める“ドル箱”の米国販売が絶好調なこと。

「現地のディーラーからは、“タマ”があればまだまだ売れる。もっと供給を増やしてほしいとプレッシャーをかけ
られている」(吉永社長)ほど。ぶつからない「アイサイト」などの独自の先端安全技術がスバル車のブラント価値
を高めたことも大きい。

吉永氏の入社時は、大株主の旧興銀と日産の覇権争いの真っただ中。その後は米GMと資本提携を結ぶなど、
パートナーが代わるたびに業績の悪化に苦しんできた。

GMと提携解消後はトヨタ傘下で「選択と集中」を加速させたが、吉永氏は戦略本部長として大ナタを振るい、その
手腕を買われて社長のイスを射止めた。

目下、死角は見当たらないが、「好事魔多し」ともいう。小粒でも存在感のある自動車メーカーのトップとしていつ
まで“過去最高”を更新できるか。

円安効果が薄れる今、以前にもましてカジ取りの責任は重い。

富士重工業社長 吉永泰之(よしなが・やすゆき) 1954年、東京都生まれ。77年成蹊大学経済学部卒業後、
富士重工業入社。戦略本部長、スバル国内営業本部長などを経て、2011年6月より現職。