宇佐神宮また火種 市民「早く正常化を」
[2013年10月01日 10:11]
全国八幡宮の総本宮、宇佐神宮(宇佐市)で起きた新たなトラブルが波紋を広げている。既に終決した裁判で
宮司の地位が認められなかった世襲家の女性権宮司が、職場環境や業務内容に不満を抱き改善を要求。
一方、神宮側は女性権宮司の勤務態度に問題があるとして給与を大幅カットした。対立から社務所で小競り合いが
あり、女性権宮司が全治3週間のけがを負わされたとして男性権宮司を告訴する事態となっている。
権宮司は宮司に次ぐ地位。南北朝時代から代々続く世襲家の到津克子氏、有力社家の永弘健二氏の2人が
務めている。両者の関係者の話を総合すると、7月下旬、永弘氏が机の上に置いていたICレコーダーを到津氏が
手に取ろうとしてもみ合いになった。その際、到津氏が手首や首などを負傷したとして8月22日付で告訴した。
トラブルは宮司の地位をめぐる裁判の余波とみられる。世襲家の到津氏が自らの宮司としての地位確認を求めて
大分地裁中津支部に提訴したのが2010年。今年5月、最高裁は到津氏側の上告を退けた。
到津氏の関係者によると訴訟後、「祭典の日程を知らされないなど露骨な嫌がらせを受けている」などと職場環境の
改善を訴えている。これに対し神宮側は到津氏が他の神職と同じように白衣、はかま着用で定時出勤するよう指導
しているという。7月は勤務日数が1日だったとして給与数万円を支払っただけだった。
小競り合いについて、到津氏側は「以前からICレコーダーで会話をとられていた節がある。確認しようとしたら
暴力を振るわれた」、永弘氏は「無断で持ち去ろうとしたため取り合いになった」と主張が食い違う。
(略)
<メモ> 宇佐神宮は全国に4万社余りある八幡神社の総本宮で、伊勢神宮に次ぐ第2の宗廟(そうびょう)。
聖武天皇が手掛けた奈良東大寺の建立を助ける託宣を出すなどして国家神の地位を確立し、その後、八幡信仰が
全国に広がった。現在も「放生会」など年間を通じて多彩な伝統行事があり、全国から約200万人が参拝に訪れている。
(以下ソース)
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2013_138059002601.html