http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130914/waf13091412010015-n1.htm 2013.9.14 12:00 (1/3ページ)
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130914/waf13091412010015-p1.jpg 村田直樹被告の自宅から押収された方向幕の数々。特に人気があるのが、デザイン性が高いとされる「阪急バス」。希代の
コレクターは、盗んでまで収集するようになり、一線を越えた=大阪市淀川区の淀川署
ロールはくるくる回り、新たな目的地を指し示す。アナログだが堅実で、むだがない。その動きを一目見て少年は心奪わ
れた。大人になり、執着はますます強まった。愛したのは、路線バスの行き先を表示するビニール製の「方向幕」。ついに
は大阪市内のバス会社から盗み出し、8月に大阪府警に逮捕された。当初は正攻法で収集していたが、数年前からは各地の
営業所に忍び込む“禁断のコレクター”に。集めに集めた数千点は「バスちゃん」と呼ばれるバスマニア垂涎(すいぜん)
のコレクションだったが、同時に身の破滅をも招いてしまった。男は捜査員に頭を垂れ、つぶやいた。「これで幕を引きます」
希代のコレクター
男は大阪府枚方市伊加賀寿(いかがことぶき)町、会社員、村田直樹被告(36)=窃盗罪で起訴。最初のめくるめく体
験は小学生のとき。京阪枚方市駅前でバスの方向幕に見とれ、「なんて優雅なんだ…」と夢中になったのだという。
高校に進学してからは本格的なコレクターの道に。方向幕を手に入れようと思えば、バス会社のイベントにせっせと通い、
売りに出されるのを待つのが一般的だという。しかし、村田被告はそんな受け身の姿勢でよしとはしなかった。
高3の冬休み、東京都営バスの方向幕を手に入れるため、各営業所に「どうしても欲しい」という趣旨の手紙を書いた。
その熱意にほだされた従業員から、無料で方向幕をもらったという逸話を持つ。
平成9年には京都市営地下鉄東西線の開通に伴い、市営バス路線が一部廃止となることを知り、車で各営業所をかけずり
回った。努力への報いとして、このとき譲り受けた方向幕は約70点を数えた。
こうして着実にコレクションを増やし、パソコンに番号を付けて記録した枚数はいつしか数千点に。方向幕の分野では希
代のコレクターになっていた。