「東京五輪銘柄」42%上昇 建設、不動産…平均株価上回る
産経新聞 9月2日(月)7時55分配信
2020年夏季五輪の開催都市に東京が決まったことを想定し、建設や不動産、観光などの「五輪銘柄」の株価が上昇している。
五輪関連施設の整備や、外国人観光客の増加が見込まれることが要因で、
証券会社がピックアップした五輪関連企業の株価上昇率は、日経平均株価を上回っている。
ただ、五輪招致を逃した場合、株価が下落する可能性もある。
岡三証券が建設や不動産、スポーツメーカーなど五輪関連の企業約80社を選び、
株価の値動きを指数化した「東京五輪関連株指数」によると、1月4日から8月30日の株価上昇率は42・5%で、
日経平均の上昇率の25・3%を上回っている。
指数を構成する大手ゼネコンの清水建設や大成建設の株価は、8月に入ってからともに年初来高値を更新するなど、
「個人投資家からの五輪関連銘柄の問い合わせが急増している」(大手証券)という。
東京開催が決まれば、日本経済に与える影響は大きい。
東京都の試算によると、五輪開催に伴う経済効果は今年9月から7年間で約3兆円。
建設、不動産業界にとっては、競技場や選手村などの大型工事や、会場周辺の再開発などの商機が見込まれる。
ドイツ証券の大谷洋司シニアアナリストは「東京開催が決まれば、首都高速道路などのインフラの再構築も加速化する」と期待する。
また、「TOKYO」の知名度が上昇すれば、訪日外国人観光客が増加し、観光、ホテルなどのサービス業にも好影響が期待される。
一方、招致できなかった場合、「招致成功を見込んできた投資家にとっては、はしごを外された結果となり、
日経平均を500円程度押し下げる可能性がある」(大和証券の木野内栄治投資戦略部担当部長)との指摘もある。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「政府や企業には、空港の利便性向上や都市の緑化など、
中長期的な視野に立って東京の魅力を高めるための投資が求められている」と提案している。
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