http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2013071300051 西アフリカから来た少年が、野球の独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグス(FD)で
野球漬けの毎日を送っている。ブルキナファソ出身のサンホ・ラシィナ君(15)。青年海外協力隊OBの支援を受け、
7月末まで練習生として参加。「日本のプロ野球選手になりたい」と意気込む。
ブルキナファソは西アフリカ内陸部にあり、世界最貧国の一つ。サッカーが盛んで、ラシィナ君もサッカー少年だった。
5年前、青年海外協力隊員として同国で野球を教えていた北海道富良野市の出合祐太さん(30)と知り合い、野球
に魅了された。母国のチームでは投手で4番、キャプテンを務める。
高知FDでは球団関係者宅にホームステイし、ほぼ毎日練習に参加。「ボールを次々と打てるから楽しい。地元の
チームには10球くらいしかなく、打ったボールを拾いながら練習していたから」と目を輝かせる。休日はバッティング
センターに通い、夜はテレビでプロ野球中継を見る。
国際協力機構(JICA)などによると、これまでも協力隊OBが橋渡しをし、独立リーグのチームが受け入れた例はある。
だが、言葉や文化の違い、宿泊費や食費の負担など課題が多く、広がっていない。
出合さんは、全国の球団や学校など30チーム以上に受け入れを打診したが、手を挙げたのは「野球への真っすぐな
気持ちが選手の刺激になる」と考えた高知FDだけだった。
「国に戻ったら、みんなに野球を教えたい」と夢を描くラシィナ君。出合さんは「ラシィナが日本で学んだ野球を通じ、
ブルキナファソの子どもたちも夢や情熱を感じてほしい」と期待する。