中国で、汚職などの疑いをかけられた共産党員が受ける密室の内部調査への批判が
高まっている。
党機関に連行された後に死亡する事件が今春以降、3件立て続けに発生、遺族らは
取り調べ中の暴力が原因で死亡した可能性を訴えている。
「腐敗撲滅」は習近平(シージンピン)総書記が掲げる主要目標の一つだが、一党独
裁下の「自浄組織」の問題点も露呈している。
「病院で対面した夫の遺体は、全身傷だらけで至る所から出血していた。暴行がな
かったとは言わせない」。
今月3日、呉茜さん(39)が涙で目を赤くして憤った。
温州市内で取り調べを受けていた夫の同市工業投資集団党委員会委員・於其一さん
(41)は4月9日未明、搬送先の病院で死亡が確認された。
3月1日に単身赴任先の北京から温州空港に戻った直後、党規律検査委員会に連行
されていた。
同委は警察とは別の組織で、党の方針に従わなかったり、汚職の疑いがあったりす
る党員を調べて処分する党の内部組織。
中央から地方まで各レベルの党組織に設置されている。
呉さんが見た病院の記録には「溺れた」とあった。「党施設で溺死なんて、顔を無
理やり水に漬けられたとしか考えられない」と呉さん。
呉さんは弁護士に調査を依頼し、インターネット上で遺体写真を公開して「暴行死」
を訴えた。ネット世論は党への批判で沸騰。警察当局は世論に押される形で捜査を始
め、これまでに地元の規律検査委幹部ら6人を拘束した。
中国誌・財経などによれば、4月以降、河南省三門峡市と湖北省黄梅県でも内部調査
中の党員が死亡した。
3件の調査に携わる弁護士は、「いずれの事案も遺体に暴行の形跡があった」と指摘する。
(2013年7月10日10時55分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130710-OYT1T00239.htm?from=main2 依頼
http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news/1373425213/4