風疹 引き続き最悪ペースで患者増加
妊娠中の女性が感染すると、赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹が、首都圏などを中心に引き続き最悪のペースで増えています。
患者の大半は成人男性で、専門家は特に妊婦の周りにいる人に予防接種を受けるよう呼びかけています。
熱や発疹などの出る風疹は、患者のせきや、くしゃみを通じて広がり、妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が出るおそれがあります。
国立感染症研究所によりますと、全国で風疹と診断された患者は今月3日までの1週間で199人に上り、引き続き、5年前に今の方法で集計を始めて以降で最悪のペースで増えています。
新たに診断された患者は東京都が84人と突出して多く、次いで神奈川県が28人、千葉県が18人、兵庫県が13人など、首都圏と関西が流行の中心となっています。
ことしに入ってからの風疹の患者は去年の同じ時期の23倍の1303人に達し、全体の70%余りが20代以上の成人男性だということです。
この世代の男性は風疹の予防接種を受けていないことが多く、特に30代から50代前半の5人に1人は風疹に対する免疫がないという調査結果があります。
国立感染症研究所の多屋馨子室長は、「妊娠を希望する女性に加え、特に妊婦の周りにいる男性は危機感を持って予防接種を受けてほしい」と話しています。
一方、厚生労働省は今月末まで無料で予防接種を行っている中学1年生と高校3年生の接種率が、風疹が流行している東京や神奈川など都市部で低くなっていることから、学校などを通じて接種を呼びかけています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130312/t10013147071000.html