どうする電気:「オール電化住宅」直撃 最大21・46%増/利用者に困惑と不満/九電の料金値上げ申請
九州電力が国に申請中の家庭向け電気料金の値上げに、オール電化住宅の家庭から困惑や不満の声が
上がっている。九電は平均8・51%の値上げとしているが、契約プランによって値上げ率は大きく異なる。
中でもオール電化は夜間料金単価が最大21・46%上がり、一般住宅より負担増が著しい。電力各社が
推進してきたオール電化は、原発の余剰電力を利用するため原発停止の現状では
やむを得ないとの見方がある一方、九電の説明不足も指摘されている。
九電は、原発停止で火力発電の燃料費がかさみ、電気事業にかかる経費(原価)が7561億円
となる一方、家庭向け電気料金の収入を6968億円と試算。
「平均8・51%」は収入を原価まで引き上げるのに必要な差額(593億円)を示したものだ。
実際の値上げ率や額は契約プランや使用量で細かく分かれる。一般住宅(545万戸)は使用量によって
2・9〜14・33%増。オール電化は夜間料金を抑える代わりに日中料金が割高な
「時間帯別電灯」(16万戸)と、夏季の日中料金も割高な「季時別電灯」(77万戸)の2プランがあり、
使用時間帯や季節によって3・4〜21・46%アップする。九電が示すモデル家庭では、一般住宅で
5・7%増(月6643円→7021円)、オール電化は12%増(月1万852円→1万2154円)となっている。
特にオール電化の場合、電気温水器などを動かす夜間電気料金を20・77〜21・46%増に設定し、
夜間の長時間使用に対する割引額も3〜4割減らすため、負担増は更に大きくなる見通しだ。
11年前にオール電化住宅を新築した大分県の男性(69)は「夜間の電気が安くなると宣伝していたので
取り付けたのに」と困惑。妻と2人暮らしで年間電気料金は約11万円だが、計算すると16%増になる。
福岡市の主婦(44)も「値上げ率が高いことを知らなかった。
オール電化をPRしておきながら、九電から説明がない」と不満をあらわにする。
http://mainichi.jp/area/news/20130221sog00m040004000c2.html