八戸港:昨年の水揚げ不振、186億7000万円 42年ぶり200億円割る イカ不漁、マダラ出荷制限響き /青森
八戸港の昨年1年間の水揚げ額が約186億7000万円(前年比11%減)と、42年ぶりに200億円を下回ったことが、八戸市水産事務所のま
とめで分かった。主力のイカの不漁に、東京電力福島第1原発事故によるマダラの出荷制限などが重なり、水揚げ量が約11万2400トン(同8%
減)と落ち込んだためという。【高橋真志】
ただ、全国主要市場の調査(速報値)では、八戸港は水揚げ額で7位、水揚げ量では6位となり、前年より一つずつ順位を上げた。全国的に不漁だ
ったためで、6位の北海道・根室は水揚げ額を21%も減らした。
八戸港の漁業種別では、イカ釣り漁の水揚げ額が約67億円(同19%減)、水揚げ量は約2万6000トン(同15%減)にとどまった。太平洋
のアカイカ漁に加え、近海のスルメイカ漁も不振だった。同事務所は「詳しい原因は不明だが、夏以降に海水温が高くなったことでスルメイカが漁を
する海面まで上がらなかった」と分析する。
イカの水揚げ量が減少する一方で、10キロ当たりの平均単価も2574円(同4%減)と下落し、水揚げ額を押し下げた。八戸港の不漁を受け、
加工業者が原材料の調達先を他の漁港に切り替えたためという。
一方、マダラの水揚げ額は約6億4000万円(同39%減)、水揚げ量は約2700トン(同25%減)と激減した。八戸市沖の近海で取れたマ
ダラから国の基準値を超す放射性セシウムが検出され、漁期と重なる8月末〜10月末に国から出荷制限を指示されたことが響いた。
八戸港の水揚げ額が200億円を下回ったのは、1970年の163億円以来。82年の933億円をピークにその後減少傾向が続いている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130110-00000072-mailo-l02