【国土強靱化】読売「やっぱり公共事業は必要だ!老朽建造物の点検・改修が急務だ!トンネル崩落怖い」
トンネル崩落 老朽建造物の総点検が急務だ(12月3日付・読売社説)
日曜の高速道路で大惨事が起きた。
中央自動車道の笹子トンネル(山梨県)で大規模な崩落が発生し、
車が次々と下敷きになった。車両火災も引き起こした。
厚さ8センチほどのコンクリート製の天井板が突然、110メートルにわたって崩れ落ちたという。
下敷きになった車内からは、複数の遺体が見つかった。自力で逃げ出した人たちも、やけどなどを負った。
「雪崩のように崩れてきた」と語る人もいた。トンネル事故の恐ろしさに慄然とする。
何人かがトンネル内に取り残されている可能性もある。警察と消防は二次災害に留意しつつ、
救出に全力を挙げてもらいたい。
<中略>
高度経済成長期の70年代以降、社会資本整備のための公共事業費が急増した。
この時代に造られた高速道路などの建造物は現在、老朽化が目立ち、危険性が指摘されている。
耐用年数を迎えているコンクリートの劣化は深刻だ。
国交省によると、高速道路だけでも、補修を要するトンネルや高架橋などの損傷が、
2011年に約55万5000か所で確認された。05年の約4万7000か所に比べ10倍以上にも増えている。
大地震に備える防災上の観点からも、まずは老朽建造物の総点検が急務である。
厳しい財政事情の中、公共事業費の削減を求める声は根強い。確かに、野放図な投資は抑制する必要があるだろう。
だが、危険な建造物を放置すれば、国民生活の安全が脅かされる。老朽施設の改修には、優先的に予算を投じるべきだ。
衆院選後の新政権が取り組むべき重要な課題である。
(2012年12月3日01時30分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20121202-OYT1T00995.htm