武道必修化:女子もハッケヨイ 大分・宇佐の中学全7校、相撲導入
新学習指導要領実施に伴い、4月から中学校の体育で武道(柔剣道、相撲)が必修になった。
しかし、文部科学省の調査で「相撲を導入」はわずか3・4%。そんな中、市立の全7校が相撲に汗を流している自治体がある。
今年、生誕100年の大横綱・双葉山を誕生させた大分県宇佐市だ。男子生徒だけでなく、女子も運動着の上からまわしを締め
「ハッケヨイ」。蹲踞(そんきょ)の姿勢も堂に入ったもの。「日本人横綱を宇佐から」という関係者の視線も熱を帯びる。【大漉実知朗】
市立院内中1年生25人が学校隣接の体育施設で、四股を踏んでいる。稽古(けいこ)場よろしく熱気むんむんだ。
土俵代わりの厚さ5センチ、3メートル四方のマットに直径2メートル80の円が描かれている。
長さ1メートルの簡易なまわしは学校が独自に用意した。値段は約3000円。柔道や剣道がフルセットで1万円以上かかることを思えば、
自治体の財布にも随分やさしい。まわしをトレーニングウエアの上から腰に巻き、股から通した女子は「ちょっと恥ずかしい」と照れる表情も。
2人1組で押し合って温かくなったところで四股踏み。まわしをつかんで寄り合う。さすがに異性との“取組”はないが、
50分授業がゲーム感覚で楽しそう。中学から大学まで相撲部だった吉田晃教諭(38)は「まず興味を持ってもらうのが一番」。けがに注意しつつ、生徒の自由度は大きい。
授業を受けた女子の一人、林寛那さん(13)は「テレビで大相撲を見ていたら簡単そうに見えた押しが意外と難しかった」。
吉田進教頭によると、6月の市中学校総合体育大会でも相撲に初めて1、2年男子7人が出場した。国技へ関心を高めるという
当初の狙いは当たりつつある。市教委学校教育課の渡辺正知課長は「わんぱく相撲などが盛んな土地柄で、親しむ素地があり、相撲以外の選択はあり得なかった」。
(略)
http://mainichi.jp/select/news/20121120mog00m040051000c.html http://mainichi.jp/graph/2012/11/20/20121120mog00m040051000c/image/001.jpg