http://www.news-postseven.com/archives/20121107_153389.html 日本にビデオデッキ普及させた『洗濯屋ケンちゃん』とは?
2012.11.07 16:01
1982年『洗濯屋ケンちゃん』という高画質で画期的な裏ビデオが発売された。一節には13万本が流通し、12億円の売上が
あったとされる。『ケンちゃん』は時代にどんな影響を与えたのか、社会学者の松原隆一郎氏(56歳)が解説する。
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『洗濯屋ケンちゃん』はリアルタイムからちょっと遅れて見ました。知り合いの編集者から借りたのかな。私は性行為を見
せる目的の作品に名作はありうるのかについては懐疑的ですが、『ケンちゃん』は、多少ドラマ性を組み込んだり、女の子
に演技させようとしていて微笑ましかったですね。
『ケンちゃん』が時代に与えた影響は大きいと思います。当時まだ高価だったビデオデッキを売るために、地方の家電店が
『ケンちゃん』をおまけとしてセットで売ったと聞きました。
三種の神器といわれたテレビ、冷蔵庫、洗濯機が売れなくなって、ビデオデッキが登場しましたが、ハードはソフトが充
実しないと普及しません。テレビは、力道山、皇太子御成婚、東京オリンピックによって普及しましたよね。私はビデオデッ
キの場合はそれが『ケンちゃん』だったと思うんです。
ただし、ビデオデッキが普及したことで、映像情報がストックされ、いつでも見られるようになりました。
ドラマやスポーツもリアルタイムで見る必要がなくなった。それに伴って映像の持つ価値が下がっていったと思います。
皮肉にもエロ商品の価値も下がってしまう。『ケンちゃん』の頃、裏ビデオの相場は1万円とか2万円。それは当時の風俗
店の料金と同じぐらいですよね。それだけ価値があったのが、今の裏DVDは数百円で売られているそうです。それはネットな
どが発達し、裸を無料で見ることもできるからです。