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34 斑(家)
朝日 「オバマ氏へ、ぜひ広島と長崎を訪れてもらえないか?」



天声人語 2012年11月8日(木)付

 洋の東西を問わず、有言実行の政治は難しい。ケネディ元大統領のスピーチライターだったソレンセン氏が、
歴代米大統領の就任演説をすべて調べて、こう皮肉っている。「史上最低の大統領たちが最高に雄弁である
ことが判(わか)った」。負けていたらオバマ氏も、その仲間入りだったかも知れない
▼むろんオバマ氏は最低の大統領ではないが、雄弁が独り歩きしてきた印象は否めない。米大統領は2期目
を任されてようやく一人前ともされる。次の4年でアメリカをどう舵(かじ)取りするか、真価が問われることになる
▼人種も文化も多彩な3億人が暮らす国に、大統領選挙は4年に1度の求心力をもたらす。人々は候補者に
言葉を求め、胸に響く言葉によって連帯を深め合う。「民主主義の祭り」と呼ばれるゆえんだ
▼しかし、今回は史上最悪の中傷合戦と言われた。民主と共和、二者択一を迫る悪口(あっこう)のシャワーを
浴びて米社会の分裂は深い。勝利宣言で「激しい戦いは国を深く愛すればこそ」と語ったオバマ氏だが、祭りの
あと、傷をふさぐのは容易ではない

▼オバマ氏の雄弁に戻れば、日本人の胸をゆさぶったのは「核兵器なき世界」だった。もう次の選挙の心配が
ない2期目には、思った行動がしやすいという。ぜひ広島と長崎を訪れてもらえないか

▼就任前から「情けない大統領ならいくらでもいる。真に偉大な大統領になりたい」と語っていた。その願望も
昨日の勝利で首がつながった。雄弁という木にみのる果実を、見せてほしい。
http://www.asahi.com/paper/column20121108.html